『梶村秀樹著作集』完全復刊をめざす会・第6支部[ハンバンパク!!!]

名は体をあらわす。伝説の歴史家・梶村秀樹先生(1935年~1989年)の著作集の完全復刊をめざす会です。ほかにも臨時でいろいろ。

『スチェパンチコヴォ村とその住人』

『スチェパンチコヴォ村とその住人』P201ーP224(1回目の校正完了)

手もとに捧げた。叔父とナスチャはまた膝をついた。こうして、式はペレペリーツィナのうやうやしげな指導のもとに、とどこおりなく行なわれた。彼女は、『もっと足をおかがめなさい、聖像に口をおつけなさい、お母様の手に接吻なさい!』などとのべついいつ…

『スチェパンチコヴォ村とその住人』P151ーP200(1回目の校正完了)

うとしているんだ。一生台なしにしようと思っているんだ。あのひとに穢らわしい悪名をきせて、家を追い出す口実を求めているんだ。ところが、今その口実が見つかったんだよ! なにしろ、あのひとがわたしと醜関係があるなんて、みんなでいいふらしているんだ…

『スチェパンチコヴォ村とその住人』P101ーP150(1回目の校正完了)

も、心配ごとがあり余るんですから!」と彼女は哀願するような声でいったが、その美しい唇には軽い嘲笑の翳《かげ》がひらめいた。 「ああ! どうかぼくを馬鹿扱いにしないでください!」とわたしは熱くなって叫んだ。「あなたはぼくに対し、先入見を持って…

『スチェパンチコヴォ村とその住人』P051ーP100(1回目の校正完了)

とに、こういう申し出をなし得る者は、おそらく叔父一人だろうと合点した。それと同時に、叔父の一言で取るものも取りあえずここまで駆けつけ、彼の申し出に夢中になったわたし自身も、大分ばかくさいものだということがわかって来た。わたしは不安な疑惑に…

『スチェパンチコヴォ村とその住人』P003ーP050(1回目の校正完了)

スチェパンチコヴォ村とその住人 ――無名氏の手記より フョードル・ミハイロヴィッチ・ドストエフスキー 米川正夫訳 - 【テキスト中に現れる記号について】《》:ルビ (例)方舟《はこぶね》|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号 (例)|あかんべ《…