はっきりいっておくが、わたしは芦原妃名子氏の「自殺事件」をとりあげる気はほとんどなかった。
なぜかといえば、いろいろ理由はあるが、もっと適任がいるはずだから、という考えがあったからだ。
意見を変えたのは、これが「改変問題」と同時に「自殺事件」であるということを認識していない人間があまりに多いらしい、と感じたからである。
そう、原作改変問題で、自殺者が出たことは非常にめずらしい、ということである。
30分ほど検索してみたが、自殺または自殺未遂の事例がみつからなかった。このことはとっても重要である。原作改変問題は、ざっと10件ぐらいすぐに見つかるのだが。
メモ
わたしが自信をもって発言できる「原作改変問題」といえば、映画「デビルマン」(永井豪原作、映画は那須博之監督)である。
日本映画史上(世界映画史上?)最悪レベルの出来、たとえ500円でも金を取るレベルではない、とわたしが自信をもって断言できる「デビルマン」であるが、自殺者も自殺未遂者もうつ病患者も出なかった。それはそれでいいのである。那須監督は2005年に亡くなったが、がんによる病死である。まあ、批判による心労があったのかもしれないが。
そういえば、海外で作られた実写版「ドラゴンボール」も、脚本家がしたことは、公開後何年かたってから平謝りすることであって(かなりましな行動だ)、生き死ににかかわることをすることではない。