『梶村秀樹著作集』完全復刊をめざす会・第6支部[ハンバンパク!!!]

名は体をあらわす。伝説の歴史家・梶村秀樹先生(1935年~1989年)の著作集の完全復刊をめざす会です。ほかにも臨時でいろいろ。

聞書水俣民衆史全五巻 目次と索引

第一巻[1870~1910]
○目次○
◆第一巻/目次より◆
一 新しい骨組
伝承の明治維新と西郷戦争
お蔵米●米撥ね、俵撥ね、縄撥ね/米は一粒も残らん
明治の意味●侍だらけの藩境の村/侍の世が明らかに治まる/傘とハン コ
西郷戦争●薩軍の使役/官軍の使役/激戦地の村/ドプロクと鉄砲/タ チワケの豆
銭の序破急――金貸しが地主に
新しいお上と税金●巡査と裁判所/田圃もろうてくれろ
博打が流行る●働く気持がなくなって
金貸しが地主に●明治の一銭の重み/金貸し伊蔵/地主の形成
小作人●銀主三分の二、小作人三分の一/年の暮
伊蔵の蔵入れ●細川さん時代さながら/えぴ飯と蛇
平野屋の銭●金の虫干し/旦那の女道楽/平野屋の日傭取り/恐ろしい 旦那さん
もう一人の大地主――細川さん●ごないか畑/増植/ハゼの木には指一本ふれられん/根はわが畑に、
杖は あんたの畑に
二 どん百姓
暮らし
コクリュウの鳴く村●川の股/町うちとウラ/低い生産性と人口増加
明治の肥料●刈敷/人肥/大豆滓、イワシ肥、骨粉/金肥
食いもん●草の葉と焼畑/カライモ/麦飯と三くずし飯/米ン飯/イワシ/野菜と砂糖
尻と風呂●尻の穴/棒立て風呂
灯と着物●明治の明かり/布団と着物
お歯黒と出産●歯を真っ黒に染めて、眉を落として/子添えばあさん/産後のおかずは塩だけ
銭取り
塩浜●百姓唯一の銭取り仕事/カライモの植え道と塩浜の干し道/炎天下の重労勧
猛焚きと塩負せ●塩焚く折は鬼/甘い水俣塩/お得意/専売制と塩浜の廃止
山●山仕事の古い形/道と牛車、馬車/官山の伐採/さまざまな林産物
イワシ売り●舟津/薩摩へのイワシ売り/相撲取踊
金山の石炭運搬●日清、日露戦争と金山/ガラガラ ガラガラ/事故と警察
村の淫売屋
三 若っか者
オロロン コロロン
子守り●子守り唄/守り学校/半分は学校に行かん/一年生と馬車曳き/裸で背負う意味
守り奉公●子守りの居場所――夜と朝と昼/お金は一銭ももらえん/守り女/子は捨て散らかし
下男奉公●うちの下男/おぼえとれ/あやつはつまらんといわれんように/よその飯
青年組
唄でいく●田植え唄/米摺り唄/米搗き唄
青年組●明日からお前も青年ぞ/青年頭/オミツと源二郎
男宿と女宿●寝んな 寝んな/女子も男宿へ
夜這い●鉦叩きと犬と胡麻塩/来っとかい、来んとかい/お寺参り/ほおッどうか/村の伊達男/女心
雨乞いと虫追いと喧嘩●天の鳴り神さま/アラアメフロウ/虫追い/喧嘩/青年のする事には咎めなし
結婚●女一人に男三人/あとは石橋 岩流し/馴染み結婚がほとんど/親がくれんというのを/馴染みの心残
り/泣く泣く行った
四 狐 火
人間と共に住むもの
狐●狐の子/天然痘と狐の屁/九段の九蔵と侍のオサンジョ/狸の方が上手
化かすものたち●村の闇/怪しい場所/回り荒神と涙川/ガラッパ
疾病は村に満ち
悪病●病い神と川/隠して隠して/赤痢と腹薬/縄張ってコレラの見張り/医者の薬は焼き殺す/熱病
と疱 瘡と梅毒/大金玉とハンセン氏病
子かれ医者どん●飲んだくれて/刑務所に三ヶ月
神経どん●明治のネガ
回り来る者たち●瞽女と琵琶弾き/わしゃ、浪花節語りでござすと
勧進勧進の宿/虚無僧とドコクさん/百姓と勧進勧進群像
○概要○
[なし]
○引用○
[なし]
○索引○
019 聞書=一次史料として
032 本巻に採録した語り手の数は六九人で、その生年は明治一〇年代が一〇人、二〇年代が三五人、三〇年代
以降が二四人である。 一一一人の地侍
035 袖の下 お城どん
036 細川さんでなく、天皇陛下にやればいいようになったでな
037 八夕四才というのは、凄味を感じるよなぁ。才というのは合の百分の一じゃろ。 一粒一粒数えた
039 明治という年号は、侍の世が明らかに治まったという意味でつけたそうです。 彦一話
040 「わっ共絹の着物でも何でも着て! 明治天皇の御恩を忘れちゃならんぞ」てそればかりいいよらった
041 判を彫って
042 薩軍の使役
044 地面にはまだ人骨が散らばっとったよ。 洗うた米が川に流れる
045 退屈しのぎに官軍の兵隊共が、薩軍の死体の腹を抉って胃を取り出して、木にぶら下げとったてな。
046 村に火を放って退却したて。
047 地名が三つ残った
049 薩軍に鉄砲の密輸 布袋館
052 焼酎は手製造って
053 「田圃もろうてくれろ」
054 どこの村でも博打が流って
055 その警察の警部が、花札
056 明治の初め頃は稼ぎ仕事というのはなかった。ぜったいにな。
060 朝鮮の済州縞 一〇〇円借りれば、年に二四円以上の利子たい。
063 昔の百姓はきつかったー。
065 日露戦争
067 得米を二千俵ばかり取
069 飯はえび飯、肴はなます、酒は飲み放題
073 蓄音機
074 手籠め 常日傭
078 石を投げ
079 肥後製蠟会社
081 この苗は、その先の藪暗に捨てという
082 肥後製蠟会社
083 ひもじさに人の飯をオッ盗って
087 水俣という地名は、川が股になっとるという意味たい
088 コクリュウ 河童
090 ガッツリ
092 餓死 刈敷
094 まこてー、いま足が痛かったじゃが。 大豆玉
096 ツバメ五号肥料 明治になって飢え死にはなかったな。でも草の葉を取って食いよった。
102 イワシの頭
103 砂糖税
104 尻は藁で拭きよった
107 青天井 汚れて真っ白
108 ベトベトになって、もうウッ倒れんようになるまではな。
109 「ヒョウソク」 あきれたもんじゃ、長生きすれば。いまの者は昔の難儀は知らんとたい。
111 いまはもう、何もかもぜいたくかもん。
115 三三日間は、女子はみんな塩を焼いて加てて食いよったたい。
117 人柱
119 「きつかったな」
121 塩浜の仕事はきつさもきつさ
131 盗っ人
132 米代 一釜で五〇〇俵
134 川流し
135 悲惨な生活 坑木
139 その一銭がみんな恐ろしかったじゃっでな。
140 木炭でいえば一千俵ばかり積む船でした。
141 朝は三時頃から出て行って
142 水俣を三時頃立てば、山野に一〇時頃着きますもん。
145 「日本に負けたて、この大碗(台湾)をやくからこらえてくれろ、という意味たい」 日露戦争の「廃馬う
ま」 牛尾金山
147 夜の二時頃 夜明けの三時頃 眠さも眠さ 夜明けの三時頃帰り着きよったです。
148 ガエという竹の弁当箱
149 辛働
150 罰金六〇銭
151 料理屋(淫売屋)
152 青年小屋
153 人間が産んだ犬の子は、決して寝らんそうです。
159 坂のひどか 七割れ八割れ
167 オシッコも足首までダラダラ お金に包まれとりますでな。
173 顔は焼けただれて
174 長うなれば、子に怒ったり
175 「銭の大きいのと店女の大きいのは使いにくい、ていうたもんじゃ」
177 喧嘩もした。
182 明治はきつかったでな。きつかったですよー、明治は。
185 田植えのときはそげんして歌えばな、心持の嬉しかで仕事のきついのは知らずに植やすとばい。
192 絶対なかったばい
208 夜這いほど要領のいるもんはなかばい。 あっち寝返りこっち寝返りする。
219 ひっくり返すのも
220 女の四倍
224 罰金 鉈で打ち殺した。
229 村の男共から逃げられんかったもんな。
232 「お金を貸してくれんな 「きつかったですよー、明治は話になるもんですか」
244 たてがみがねじれとる
249 竹籠に灰を入れて
251 石灰
252 縦皺
254 スペインかぜ
257 コシキは全部連れて行かれた
258 勲章
262 火をつけ回して
264 「お金を貸してくれんな あげん神経どんの多かったのは、思うようにならんじゃがな。それで多かった
ったい、
271 怠け者
273 三日勧進すればやめられんていうぞ
http://www.sofukan.co.jp/books/31.html
第二巻[1908~1925]
○目次○
◆第二巻/目次より◆
一 電気の唄――金山と化学工場
牛尾・大口金山回想
日本一の金山といわれた
手寵ン子
野口さんの曾木発電所
大吉茶屋の娘
金山の垂れ流し
村に工場が建つ
電気柱の唄
臍ソ出た
悪い評判
二 化学労働の始まり――明治末の石灰窒素工場
会社勧進、道官員
カーバイド工場
工場は赤ん坊も赤ん坊
煉瓦壁の中の高熱仕事● 自分の名前も読めない/カーバイド炉の変遷/一五〇〇キロ炉の仕事/二四時間働か
された 熟練と気質
カーバイド製品部
会社勧進、道官員
炭素工場
2 石灰窒素工場
ドイツからきた炉
焼いても焼いてもできない
鋼線で窒素を作る
藤山さんの発明
アレー、あんたかな?
その後の展開
3 鉄工部
明治の職人の世界
年期小僧
小僧哀話
係長の弁当/松次の死
工場の日々
東雲のストライキに習って
負け犬
カーバイド船の爆発
亡者の仲仕株
仲仕の仕事/藤山さんと野口さん
村の職工日記(大正3年)
三 蝟集する民衆――大正石灰窒素工場
従業員二〇〇〇人の新工場
かちがらすの群のように●鉄筋建ての工場が建つ/死霊風と狐の逃亡
太郎も次郎も
新しい特権階級
牛馬か、牛馬的労働か
カーバイドの女職工
粉塵と会社病
腕力と亜硫酸ガス●鉛室の作業
牛馬と思え●身体だけで荷役した/運搬夫/青しゅりと怪我/畜生と思って使え/クレーソが据わる
立場を変えた満州での経験●やめて、電気化学撫順工場に行く/ラサ島燐鉱株式会社
鏡工場暴動、日給上がる
鏡工場のストライキ
会社の米
潮の変わり目●職工から準社員に出世/先生たちまで工場に入る
四 「会社」さまおかげさま――町へ発展
村と賃労働
目ソ玉所
八代から来た花嫁●会社の聯人と結嬉/おこもさんか、西蕃か/長着物着ただけで、おおごと/お汁のにごっと
る所は、あるかないか/ひき脱ぐようによくなった
ゼロからの出発●会社行きがよか/夢をかなえる
女の隷属
町になる
文明開化●電気/帳面と押麦
乗り物
商人たち●工場へ町がにじり寄る/カラスとカイシャ
○概要○
[なし]
○引用○
[なし]
○索引○
060 一時間、デッキの上で火に焙られ通し
061 舶来のドイツカーボン
064 一日に一人か二人は、必ず倒れよったですよ。
065 吹き上げた埃が、一尺ぐらい積もっとったです
069 顔は真っ黒煮えてしまうです
073 命綱つけたままひっくり返って死んだ
074 ほら、まだ傷跡の残っとる。 わしら、そりゃみじめなもんでしたったい。
075 隠れて食わんば
076 楽しみですか? なかったなあ。
078 炭素雀
079 黒炎、コークス、コールタールを平釜で加熱しながら混ぜ合わせ、型に入れて圧搾し、燃成炉で焼き固め
て電極にする
080 火傷は、もうしょっちゅう
082 そのとき、バーンバーンて火が破裂すっとです。[CaC2+2H2O→C2H2+Ca(OH)2]
083 達海山 樟脳製造 台湾
088 粉塵がウワーンウワーン
090 アイヌみたいな人
092 首同然で
093 これからは手に職を持っとる職人の時代だ はじめて鍛冶屋が村に来た
095 「俺は会社の門に立てば、熱は引くんだ」
099 袋叩き
100 一つの工場にずっと居ることはなかった
101 職人買い
103 背と腹を歯車がかんどるから
105 かんしゃく持ち
106 小飼いの職人
107 懲役人使うみたいに 哀れ、ただ、哀れやったたい。
108 泥棒
109 熊本の東雲のストライキ 本当にみじめなもん ロシア戦争上がり
113 負け犬
114 「ヴァーン!」 九五〇箱
115 四人が即死、二〇人が重傷から軽傷まで
116 補償? そげんとはなかったです
118 亡者の風 日露戦争のとき
119 一日三〇〇俵ぐらい荷造り
126 きついなぁー
図2 CaO+3C→CaC2+CO
図4左 CaCO3→CaO+CO2
図5 C カーボン電極
図7 CaC2+N2→CaC2・N2、Ca(CN)2→CaCN2+C
図9 H2SO4+NH4OH→(NH4)2SO4+H20、CaCN2+H2O→CaCO3+2NH3
137 手に豆がビッシリ
139 入墨
140 暴力団 朝鮮 暴行
141 だいぶ死んだ
142 入墨 ドス ヤスリで頭をすられた
144 都みたいな感じ
145 メキシコ 巡洋艦出雲
146 もう生きて帰れんて
147 昔の軍人さん 金勲 日露戦争
148 履歴書
149 「社宅」 「社宅の奥さん」
150 いきなり馬に石くらせらった。
155 火達磨 目ん玉を焼かれて
157 お酌に行かんば
160 日露戦争朝鮮人は、銃で撃たれるばってんが、いうこときかん。なかなか強情なもん」 結核 会社
病 片目
161 鉱石を四〇貫担いで往復せにゃならん
162 胸の病をやって 会社は他の原因の病気て
163 仕事の楽しみなんてあるもんですか。
167 原石はトロ一台で三〇〇貫積んで一人押し
170 朝鮮運炭
172 畜生と思って使え
174 ぐずぐずしとれば、バーッと行って殴る 凍死
177 粉塵はワンワンして
179 何百人て警察に引っ張られて
187 大正九年頃が、潮の変わり目
189 天草の一丁田の炭鉱
図13 FeS+H2O+△→2Fe2O3+SO2、SO2+NO2→SO3+NO、SO3+H2O→H2SO4
http://www.sofukan.co.jp/books/32.html
第三巻[1925~1937]
○目次○
一 地鳴りが聞こえる――共同体と貨幣経済
共同体の紐帯
開いて結んで――血縁の変化●義理の増大/血縁の凝縮
夜這いと結婚の分離●嘘八百並べて/女に子供ができると
私たちの結婚●「嫁御見」に来らった/金の糞
結んで開いて――地縁の変化●五人組の末裔/家建て・萱葺き/死者は部落に属す
村で生きていける戸数
水俣で一番豊かな村●深川村の見取図/明治・大正の戸数増加/昭和はじめ頃の賃稼ぎ/昭和 20 年までの戸数
増加/まとめ/深川小学校百周年記念誌
山仕事●出しごろと牛車曳き/山の河童
二 女買い――持てる者の貨幣経済
放蕩狂時代
村を走る狂気●荒使いが始まつた/嫁御もらうより買うた方がいい
二代にわたる女遊び――元士族の場合●じいさん――田畑を抵当に入れて/覿父――財産を売り飛ばして
長兄のドンチャン騒ぎ――元庄屋の場合●自動車と芸者/一駅員の分際で!
私の放蕩――ある上百姓の場合●女郎屋の面白さ/担保設定通知/放蕩者の心理
没落の唄
小地主――長野さんの没産●総潰れ/探川村の地主の流れ 大地主――平野屋の没産●
平野屋対日本窒素/広大な屋敷/競売
没落後の旦那さん●豆席売り/娘さんの発狂と自殺/鶏小屋/旦那さんの最期 一元化された地主制●伊蔵
の天下/町長争奪戦――日本窒素対伊蔵/権力の配分
三 不景気がやって釆た――閉塞する村
働く所がない
鏡工場は閉鎖、水俣工場は縮小●鏡工場職工日記/みんな首だった/水俣石灰窒素、セメント工場の廃止/不景
気の到来 二つの狭き門●米一俵が 5 円に/軍隊の門/工場の門
職工の弁当箱●日雇があこがれの的/田圃の代わりに
八方ふさがり●銭は持たんや?/青年訓練と徴兵検査
長島から水俣へ●男の金星/バナナと台湾兵/島を出る
銭借り●高利貸/夜逃げと日掛通帳/講金
事件師
死に急いだ者たち●御大典と幽霊列車/色町の刃傷沙汰
異境の住人たち
勧進がゾロゾロ●馬車立場と勧進/ウラの村の勧進/三五郎どん/勧進小屋を焼く/勧進の笑い話
神経どん列伝
アチャ物語●アチャとアチャの子/どん底と想像力
村を向いて拝め
泊めてくれる家●うちさン来んな/かわいそうと思う心 四 木枯らしの果て――流亡と戦争
国内への流亡
地主支配の村●薄原村/焼畑/流亡
因果●葛渡村馬淵/椿の花とアイスクリーム/ヤツボと私
炭坑●多かった水俣者/彼女/死
ある女街の回想●浮かぷ瀬はない/料理屋見晴/女衒になる
「ミンナゲンキ」●子供の売り買い/お願いします
植民地への流亡
おふくろの一周忌●人間の油/河川工事/水俣では食や得ずに
朝鮮から水俣へ●朝鮮人土方/深川村の朝鮮人
水快から朝鮮へ●一大センセ-ション/流亡のハイウェイ
ここはお国を
張学良との戦争●熟河「討伐」/北平のすぐ傍まで
泥沼●大陸の奥探く/点の戦争の特徽/日本に帰る道
青年の居ない村●最後の夜這い者/男ひでり
○概要○
[なし]
○引用○
[なし]
○索引○
038 しかし、その話の底には、共同体と貨幣経済が噛み合う激流が、隠されていたのである。
041 香典控え帳を全部で一九八人
043 嫁御持てば、身代ウッ倒れる
046 血が濃くなる 痴呆や神経、青年倶楽部
049 誰と結婚するかは、親たちの絶対権限
050 馴染子
053 借金が一二〇〇円もあっとぞ。
056 深川村下村講組規約
057 寄せ米
060 葬式といえば、子供たちは楽しみやった。、 さあ、米の飯を食えるぞ
063「この村で生きていけるのは、九〇までばい、それ以上増えれば、村を出て行くと」 一軒一軒回って調べ
たったい。村の者が、本当に自分の村のことを調べるつもりになれば、相当遡って、詳しく分かるもんばい。
071 手飯手煙草向こう小便、牛の通夜
073 店は、できちゃ潰れ、できちゃ潰れという感じ
075 何処に行っても握飯の雨は降らんから
077 人間が年寄りになれば 一日中家居って坐っとるが、仕事じゃが
079 牛一頭死なせば、財産傾く
080 医者どんに行ったことは、めったになかったな
081 ガラッパ 姿は絶対見えんとな
084「田畑持っとる所が無茶使いを始めた」結果
086 インディアンという単車
087 歳取ってからのは、始末おえんて
090 地侍
091 首吊らった 朝鮮に行って郵便配達
093 必ず使わせる人間が出て来っとな。
095 熊本の二三連隊
096 鉄道学校
097 学習院
100 清潔感
103 銭を無茶苦茶使うのが楽しみやったんやな。自分の銭を自分が使うのに、誰が何をいうかという気持やった
んな。
104 見栄のむだ使いです
108 刀を一〇〇本以上あった
111 銀行を作らった
113 黒砂糖が樽に入っとった
114 銀貨
116 色神経(色情狂)
118 汽車ひかれ
120 鶏小屋に住んで
125「もうおら、思うだけのことはしてしもうたで、何も思い残すことはなか」
127 水俣私設消防団
128「一〇〇町できくもんな」
129 名前を切り抜いた厚紙
130 政友会本部
131 翼賛議員
132 最大の功績は、河川工事と上水道工事 大政翼賛会の運動部長
135 日本窒素鏡工場荷造係職工の日記
140 いまでいう生活保護
142 軍服、あれが一つの魅力だった
143 二三連隊
145 一三名採用するのに、私が受けつけた応募者が四八五人でした
148 貢物
149 魂の多か 履歴書 前もって決めて
152 六師団
153 火傷 首下がった
157 基隆の要塞砲兵
158 上等兵のシャツを盗んだ
161 連隊借用証書
169 計画的に講金詐欺 水俣に一台しかないタクシー
171 首下がって
173「人ひかれ」
174 一〇ぐらい自殺したのは
177 ダイナマイト心中
179「ありゃ、朝鮮人ぞ」
186 今日は勧進小屋を焼きたくろう
188「夏勧進は、三日すればやめられん」
191 首下がって
192 兵隊神経
194<自動車神経>
197 手話
198 メンソレータム
199 お国というのは、勧進の子も忘れんとじゃな
202 朝鮮人の男の子が、にらみつけるようにして 日本人て、見とったのたじゃな 中ぐらいの貧乏が、一番人間
のことが分かると思うな。 想像することが
206 魚を盗
207 首下がりでもしやせんか
213 何年て居りました
218 水俣の、潮の満干の、その早さ、時の移りを、知るよしもがな
223 茶ガラに醤油掛けて食うとて ブラジル移民
224 ネーブル
226 新渡戸稲造
229 ボケ 馬淵の視点だけで
231 圧政山 三菱方城
233 チョウリンボウの部落 三菱方城 貝島の三坑 飯塚炭坑
237 梅毒 自殺した子が一人 殺されたのが一人 首下がった
239 慰安隊というのができて 撫順
244 ミンナゲンキ
249「そうかな。行かんでよかかな」ておふくろは喜んだですよ。 朝鮮の興南工事 朝鮮人の土方
250 ライスカレー
253 朝鮮人はうんと居ったぞ
256 深川から朝鮮に最初に行ったのは、昭和五年じゃな。
257 炭坑でも紡績でも、悪い話が多かったもんな。朝鮮だけは、なんか風向きが違ったもんな。
261 第六師団
263 第六師団
265 強姦 その代り、各部隊は、女を六、七人連れとりました。
266 慰安所 梅毒
269 全部射殺しました。
271 捕虜を殺せ 処刑 打首 もう、鬼ですね 死体の山
272 全部殺した
273 六師団
274(いずれも仮名)
http://www.sofukan.co.jp/books/33.html
第四巻
[1935~1945]
○目次○
第一部 とんでもない暴れ馬――技術と労働
アンモニア合成工場……031
輸入高圧技術とそのスタート……031
はじめての高圧熔接……032
技術者も爆弾三勇士と同じ……035
運転する度胸[正面に居れば命の仕舞い/組長の創意工夫]……038
アンモニア合成工場の運転……044
計容器の運転[水素と窒素の混合ガスを作る/どうやってガス比例を維持調節するか]……046
圧縮機の運転[人間より機械が偉い/事故さえなければ楽も楽/爆弾の上に乗っとるのと同じ]…
…049
合成塔の運転[どうやって合成塔を運転するか/カンとは「先を読む」こと/きついか楽かじゃな
くて自分の力で仕事に差が出るかどうか/労働仕事との違い/作業日誌のごまかし]……056
合成工場の職工と教育[秘密工場/いわれた仕事さえしとれはいいんじゃ/職工像/幹部職工の養
成]……066
二 酢酸工場……073
自社技術の開発と設計の教科書……073
最初の研究者の回想[「爆発しても装置が壊れてもかまわん」/私のアセトアルデヒド研究/スケ
ールアップには、理論が必要]……073
ハンドブックが唯一の頼り[アセテートを目指して/橋本設計ノート/やってみて失敗だったら何
回でもやり直す]……079
アセトアルデヒド製造現場――毒・劇物曝露と運転……085
設計通りにいかない[分溜器は熱量不足、精溜塔は段数不足/熟硫酸液吹〈酸化槽/母液の劣化、
困雑な連続運転/続出した硬鉛ポンプの故障/作業着は一日でポロポロ]……088
アセトアルデヒド製造機器の運転[生成器の運転/分溜器の運転/分溜器の作業環境/機器の運転
で一番苦労したこと/人に負けるか]……094
毒・劇物曝露の現場[散乱する水銀/アセトアルデヒドで手は真っ赤/命をはめる/分析工は次々
死んだ/設備をよくするより、人間殺した方が安い]……106
水銀のソファと廃水溝[水銀は遊び道具/悪い物、汚い物はすべて廃水溝へ]……114
職工物語[三の三乗と二〇〇℃/百姓の息子]……117
酢酸製造現場――恒常的爆発と運転……123
酢酸合成器の運転[通り抜けできないぐらいの悪臭/恐ろしい運転スターと終了時/一番きついの
は眠いこと――/三交替の運転工が勤まるかどうか]……125
盛大な花火[火の海/火はアセトアルデヒドまで及び]……136
爆発で重傷を負った労働者の述懐[アセトアルデヒドの引火爆発/怪我の中に飛び込んで行った/
酢酸マンガン反応器の爆発/心の持ち方/会社の怪我は怪我損……142
酢酸精・蒸溜器の運転と製品瓶詰め[楽な操作、充満する酢酸ガス/そりゃ食っちゃいかんぞ/製
品瓶詰めの女工たち]……149
アセチレン製造現場――肉体労働とアセチレンの大爆発……155
アセチレン発生機の運転[まだ熱いカーバイドの塊を手でコンペヤに載せる/原始的な精製法/発
生機の爆発とアセチレンガスの吸入]……157
大惨事[死亡一名、重軽傷二十数名/九死に一生を得る/兵隊といっしょ、戦争といっしょ]……
165
カーバイドの泥[馬の小便よりまだひどい/貝の海からヘドロの海に]……171
塩化ビニールパイロット工場……175
日本で最初の塩化ビニール工場……175
塩化ビニールの基礎研究からレドックス反応の発見まで[合成化学への初志/塩ビの研究を始める
/デスク実験まで/工業化を前提にした中間試験での苦労/パイロットプラントの建設/パイロット工場の操
業とその後の研究/技術と労働についで]……176
塩ビバイロット工場の運転……199
塩ビ工場労働の原型[組長の評価――90 点/発生機の運転/反応器の運転/重合器の運転と乾操
作業/戦時下の人手不足と空襲]……200
第二部 古きよき工場――身分制と職工
一 権力の領域……221
ほう、砂糖が歩いて釆たよ……221
天皇陛下か殿さん[生殺与奪の権/係長の味噌汁/桃色事件 始業のサイレン[日曜
日/ブランコ/発電所の子供/親父とその死……236 奥さんの便[ボーイ物語/身分制下の労働条
件]……241
戦前唯一のストライキ[工作職人の世界/一回めのサボタージュ/二回めのサボタージュ/三回め
サボタージュ]……247
二 自由の領域……257
吾が名 和楽水俣工場[会社に思いを寄せる気持/インスイの油]……257
俺家の係[組長は親父/横のつながり]……261
職工の楽しみ[本格的演劇/陶酔的係対抗野球/係のスターたちの工場生活]……273
広がる舞台[尚和合/全国相撲大会で優勝/豚饅頭と生卵]……273
朝鮮人の領域……279
重労働職場に朝鮮人が釆た●職工なき工場/カーバイドト係の朝鮮人飯場/アアジュン ジン
ゾ チョプソ ミッカ]……279
空襲……291
朝鮮ピー[俺の初恋/俺の終戦]……295
○概要○
[なし]
○引用○
[なし]
○索引○
029 有用物製造のいわば絶対性
030 「こうなればこうする」 「こうすればこうなる」 コツ
036 工場の屋根? そんなもの残っとるもんですか。
037 技術者も爆弾三勇士も同じ
039 合成という言葉が、何か特別に聞えて
040 一三〇〇枚あるだけ割れて
049 大ざっぱなもんでした
055 高圧機械が好きという人間なんか、居らんですよ。
064 連直じゃ 勧進(乞食)
067 結核
068 行幸 フローシート(工程図)
069 居眠りの上手なこと
074 ノートが二冊残存
076 私は、酸化塔を、危なくないように工場の一番端っこに造って、土塁ならぬ鉄筋コンクリートの囲いの中
に入れちゃった。鉄板の厚いやつでドアをつけて、操作はすべて外からやる。
080 一品種一技術者 ペリーのハンドブックの外観
083 クルップ社のステンレスV2A
103 水俣病
106 故障すれば、処置は自分で切り回ししてやった。 金属水銀が、何十キログラムて溜
113 一銭五厘
114 「おい、水銀の掬い競争するぞ」
115 「お前たち、卵をのめ」
119 「そんなら、その真似をやろうか」
128 一日二回やるときもあった。
133 「最近除隊した者」
134 台湾の要塞重砲兵
136 一人で七回も爆発させたもん。
137 酢酸工場の屋根が周囲二十メートルくらい吹き飛ぶ
144 左甚五郎
145 横着
151 運転しとりゃ、酢酸駅がどうしても手に掛かるです。
154 十代で死んだ人が何人て居りましたなぁー。
158 アルカリ性
165 水俣工場の三大爆発事故 明治末のカーバイト船の爆発
167 口止め 駅のガラスも割れた
169 怪我して四〇年めです
174 一丈(約三メートル)くらい入った
177 中国人の留学生
182 北満 耐寒試験 山陽鉄工所
184 これは悟りだと思う。
193 我孫子の高射砲隊 ルイサイト
196 助触媒 レドックス反応 ノーベル賞 生き埋め
198 フローシート
199 非常脱出用のすべり台
200 緻密な配慮が必要
201 塩酸の雨
203 〇.〇二グラムがどのくらいか分らんもん
204 水俣病が出た原因は、アセトアルデヒドだけじゃない。塩ビも大きいと思うがなぁ。
208 なんとかしていく
218 「かかっちょう」
221 近衛兵
222 内職(会社の材料で私物を作ること)
223 パン焼器 アイロン
224 撫順炭坑
227 「ほう輸血」
229 西式健康法
230 チンバニワトリ
231 ポンボケ写真を売りつけ 高利
232 逆手に取って
235 ぼぼ係長
238 内大臣発電所
240 十五年解禁
243 便 玉突き
246 エチオピア 印度 一円二十六銭 軍隊
248 全国技能大会
250 功労株
253 徳富蘇峰先生
255 満州吉林人造石油
259 わけの分からん化物みたいな、天皇陛下みたいな
261 よかことをしよって
266 歌手の藤原義江 セロの高勇吉
271 西松組(土木業者)
274 質屋 優勝カップ
266 紀元二千六百年
277 雅叙園
278 「分からんときは、あんまり先走って何でもするな」 「ははあ、先走っちゃいかんぞ。人のするのを見て
からでちょうどよかばい」 「あんた、卵はどうしたんですか」 井の中の蛙
280 淋病 木切れで舟
281 水俣実務学校、井水中学、八代中学、熊本工業、長崎医専水俣高等女学校 沖縄から学徒疎開 プリン
スオブウェールズ 即死
285 闇買い
287 衛生観念 詩人淵上毛銭
291 アリラン部隊
294 憲兵の監督官
295 精米屋の隣が朝鮮ピーだった
299 佐世保海軍建設部 予科練 ドカレン ヤクザみたいなの W工法
300 脱走 投げ殺された 大牟田
http://www.sofukan.co.jp/books/34.html
第五巻
[1925~1945]
○目次○
一 植民地の巨大工事
赴戦江発電工事と興南工場の建設 031
日本窒素の朝鮮電気事業 031
●赴戦江電力資源の発見/地図でどこまで分かるか/川の水を逆に流す/長津江の原価 1 キロワット時 2 厘 5 毛
アメリカ T・V・A との比較/大きいものは小さいものの延長ではない/水豊発電所は移住させたのが七万人
いかにして赴戦江の水路を掘ったか 038
●測量なしの無謀突貫工事/苦心惨憺した竪坑/人夫は水路全部で 5000 人以上/続出した事故と死傷者―警察
署長も逃げだす/動力発屯所燃え工事は大ピンチに/破天荒の非常手段
赴戦江堰堤工事と曝首 049
●漢垈里の堰堤工事に行く/赴戦高原/集団凍死していく支那人クーリー/警察官以上/火田民/大洪水/幽
霊写真
輿南工場の建設 059
●あそこからここまで買収せえ/集会場に集まって反対運動/1 日 1 万人使うのが限度/建設の苦労/都市計画
も立案

植民地生活の始まり 066
水俣からの転勤職人の回想 066
●最後まで残った一軒/饅頭墓と飯場と糞の山/夜は外に出られん/夏から冬へ/興南の自然は楽園だった
朝鮮人の目、日本人の目 071
朝鮮人部落と日本人社宅/盗み合い
安い物価、多い収入 076
●5 厘という残があればなぁ/金が取れる
二 植民地の化学工場
日本人の工場 083
輿南肥料工場 083
朝鮮人の募集なんかしていない/原則として日本人が運転する
本宮カーバイド工場 090
●原野を工場で埋めつくす/激変していった工員構成/日本人職工と朝鮮人職工―今度は自分が野口遵じゃ/
大型カーバイド炉の労働/人間の丸焼き/一日も早く組長になりたい/どうやって朝鮮人を使うか
海軍航空燃料アセトアルデヒド工場 107
水俣の 5 期と同じ設備を 16 セット/分溜器操作経験工はたった 3 名/難しかった操作/廃液と精溜塔ドレン
は城川江に/水銀/続出した機器の故障、稼働率は 50%/憲兵と監督官

統治と技術 117
個人と民族 117
●歴史の理解のしかた/製缶係の朝鮮人職人/朝鮮人とみたら……と思え
死傷を前提にした技術 125
●燐酸と硫酸-汚いひどい工場/新しいものをいきなり大きくしてやった/人が死ねのは交通事故といっしょ
/基礎のないところに建物は建たない/最悪だった接触硫酸/確立していた職場規律/背後のことなんか気に
するな
三 植民地の民衆
鬼針金の鉄条網の中で 135
いかに工場を警備するか 135
●門と見張所/物品持ち出しと身体検査/処罰と得点/殴打と水ホース/警備長の誇り
逃げ帰るオモニ 140
●供給人夫/金券/徹夜が 4 日も 5 日も/追い回し/零下 20 度の岸壁で
俺より下は居ない 146
●朝鮮も不況だった/残業とオモニ/朝鮮人の友達
カフェと遊郭 153
●飲む以外にやることがない/スリーチブ/飲んでは朝鮮人と喧嘩/女買い
頭の切り替え 159
●学生服姿で敷島の箱を抱いて/子供がいきなり監督に/鉄棒を肌身離さず/頭の切り替え/下地と制度
三つの言葉 164
●母の教え/母の教えの実践

日本人社宅の奥さん 170
社宅の暮らし 170
●狭い傭員社宅/ユートピア/あっち行ってペチャクチャ、こっち行ってペチャクチャ/空にゃ今日もアドバル
ーン/栄耀栄華/色恋沙汰
朝鮮人部落 181
●狭い道、小さい低い家/シラミ/のんびりした百姓
夜逃げ先 187
●片倉製糸大分工場/捜索願/畑上さんのむごい死/うちの着物
金の玉を握り錦を飾る 193
●二度の移住/朝鮮に遊びに来たのと違う/終戦のとき貯金 2 万円/オモニと私
昨日をあざ笑う 200
●植民地での二つの考ぇ/なぜぜいたくするか
四 植民地の崩壊
三六年め 207戦時下及び末期の工場 207
●暴力とその限界/抵抗/アルミ「中隊」と囚人/憲兵
四人の兵士 219
●第一話-朝鮮海峡/第二話-水俣から釜山へ/第三話-羅南から京城へ/第四話-麗水から興南
敗戦直後の興南 231
●マンセイ マンセイ/ソ連軍の工場接収/兵隊狩りと武器の接収/自分たちを苦しめた奴を
一職人の日記 8 月 15 日~9 月 3 日 239
社宅の入れ替わり 243
●日本人の品物/朝鮮人社宅へ/日本人は朝鮮人に、朝鮮人は日本人に
難民化と興南地区人民工場 253災厄 253
ソ連兵/発疹チブス
一職人の日記つづき 9 月末~11 月 261
飢え 265
●栄養失調/人夫と指名就労
建国する側 274
●工場を守れ/ゼロから始まった/意気軒昂/ソ連軍の役割/オーバーアクション
日本人技師者連盟 279
●弱点は技術者の徹底的不足にあり/人民工場工作官/幸せな帰国
日本への逃亡 288
人間の極限 288
●闇船/陸路/川流れ子/乞食
一職人の教会報告 300
●人は神の前に平等/金の死とその子供/私の引き鴇げ/一生忘れられない朝鮮人の心/聖書の言葉
夫の国へ 311
●日本人と結婚/見とればかわいそうになって/どごの国でもどこの村でも助ける人が居る
植民地とは何であったか 314
○概要○
[なし]
○引用○
P083~085

日本人の工場
興南肥料工場
朝鮮人の募集なんかしていない
日本窒素は、朝鮮人の労働力を安く使おうと思って、興南に行ったのではないね。発電所や工場建設の人夫は
別だよ。それは、西松組や間組などの組が使った。工場の運転は日本人の労働者を使ってやる、という考えだよ。
当時の幹部の誰に聞いたって、そういうだろう。傘下に朝鮮石炭工業という炭坑もあったし、日本窒素は朝鮮に
金山銀山も持っていた。炭坑や鉱山なんかは内地の労働者で行く奴は居ないし、本当の棒心(先手を使って働く
労働者や職人)だけ内地から連れて行って、朝鮮人の指導をさせて、彼らを働かせた。興南の工場は、新しい合
成化学工場だから、朝鮮人なんか話になるかという頭だよ。第一、朝鮮に産業らしい産業を興そうとしたのは、
日本窒素だけで、それまでほとんど工場もないし、朝鮮人の労働者だって居やしないよ。東洋拓殖(資本金一〇
〇〇万円、明治四一年設立の国策会社。朝鮮における拓殖事業を目的)なんて、朝鮮の土地を収奪する会社だも
の。おまけに明治以来の教育で、朝鮮人は無責任で怠け者で、二度も国をなしたことがない民族、と教えられて
きてるからね。朝鮮人は居たら邪魔ぐらい。信用しないていうかね。そんなもの入れてやったら、工場壊しちゃ
うよてなもんでさ。だから、日本人なら雇ったけど、朝鮮人は雇わないよ。朝鮮人の募集なんかしてないよ。で
も、日本のせいでみんな難民みたいな状態だから、工場ができると朝鮮人が寄って来る。興南には、朝鮮中から
来たろうね。それを人夫に使い、ごくごく優秀なのを選んで工員に雇った。日本窒素の朝鮮大に対する方針なん
てないよ。方針なんか立てる必要ないもの。
僕は昭和一二年に東大の法科を卒業して入社し、最初は京城支社に居た。一、二年してから永安工場(朝鮮咸
境北道明川郡)に行って、昭和一七年まで庶務関係みてたけど、永安は一〇〇〇人の工場で、六割が日本人だっ
た。朝鮮人が四割の比重になったって、募集なんかしたことない。朝鮮人は、下働きてことだね。よくできる人
も居だけどね。永安には、朝鮮人の社宅なんて全くない。雇ってくれ 雇ってくれで寄って来るのに、そんな必
要全然ないもの。そんなこといったら、何のためだて怒られちゃうよ。朝鮮人の賃金いくらにするかは、興南
決めてくる。そりゃ、ひどい賃金だと思ったね。三年ぐらい工員で働いて、故郷で親が死んだからやめて帰るの
に、退職金もらおうと思っても、旅費にならないんだよ。その工員は全羅南道から来てた。こんな無茶はないな、
働かないのは当たり前だと思った。昭和三〇年過ぎだけど、興南の最高責任者だった白石宗城《しらいしむねき》
さんが、「よくまああんな安い賃金で朝鮮人を使ってたもんだねえ」て僕につくづくいったことがあるよ。よく分
かった係長は、能力があるのは一生懸命給料上げようとしてたよ。でも、働かしてくれというから、働かしてや
ってるんだという頭だった。 五九・一〇下飯坂正蔵 大正三年生
●原則として日本人が運転する
水俣アンモニア合成工場は、一五〇〇馬力の圧縮機四台、合成塔五台の設備だったでしょう。それが興南
は、第一合成係、第二合成係、第三合成係に分かれて、各係それぞれ一五〇〇馬力の圧縮機六台、合成塔八台で
した。水俣の四~五倍ですからね、壮観というか、すごかったです。私が昭和三年に水俣から転勤して行ったと
きは、一期工事の最中で一係分だけ建設中だった。建屋だけできて、機械の基礎をやっとったです。スタートの
ときは、水俣と延岡からの転勤者が主体で、朝鮮の軍隊を満期した日本人を、現地採用して補充したんです。三
交替、日勤、修理合わせて一〇〇名以上居たでしょう。そのあとで、二係分増設したから人数も三倍になったわ
けで、現地採用者が増えました。朝鮮人の工員も居たですよ。朝鮮人は、一期の工事中から少しずつ入れた。日
勤雑役とか、修理の手伝いですね。最初、あの連中は給料もらうと二、三日出て来ない習慣だった。もうそんな
ことなら使わんてことになったもんだから、あとからそういうことはなかったですけど。朝鮮人に対しては、「癖
の悪いのが居るから気をつけとれよ」という指示でした。圧縮機の温度を作業日誌につけていくから、そのため
の時計があるんです。その時計を盗もうとした奴が居た。事務所に連れて来て叩きたくったら、もうしませんて
謝るもんだから、公にしないでそのまま使ったです。運転要員は一係一直当たり、
組長 一人
圧縮機 六人(うち一人責任者)
合成塔操作 八人( 〃 )
循環機 二人
分析 二人
だったと思います。朝鮮人はよっぽど優秀じゃないと、三交替の運転工には使わなかった。
五五・八佐々木利雄明治四〇年生

○索引○
030 すなわち、物価は安く収入は多かったと。
034 長津江水電株式会社/混同して語られる/ノールウェーでも
035 1933-1952 TVA 122 億キロワット時
1926-1945 窒素 120 億キロワット時
036 台湾電力/東芝川崎製鉄
037 水死体/海東島/ジャワ
038 松本組、長門組、西松組、間
040 沢を一本間違えた
041 横が竪になるだけだから/東大で地質の大学で若林さん/丹那トンネル
042 山東クーリー/火田
045 二〇人くらい死んだ/支那子が二、三〇人みんな吹き飛んでしまった/一番の大事故は第七竪坑の爆発
046 死んだのは総計二〇〇なんぼです。うち日本人は一〇人以下です。
048 人身御供/流されて死んだ/長門
053 凍死/ひとかたまり一〇〇人ぐらい
055 ダンプカー
061 悪魔祓い
063 憲兵上がり
068 糞が山のように
070 東本願寺/一坪が三銭!
071 水俣から興南まで十八円八〇銭
073 猪と間違えて撃って
075 卵でもリンゴでも/気がつかずに行ってしまう
076 天機里
080 西湖津
083 朝鮮石炭工業/東洋拓殖
084 京城支社 永安工場(朝鮮咸境北道明川群) 「よくまああんな安い賃金で朝鮮人を使ってたもんだねえ」
085 叩きたくったら
086 日本人しかつけない仕事と、朝鮮人をつけてもいい仕事に分けることによって、日本人にも仕事による格
付けができました。/朝鮮では、係員と工員の身分格差は、ある意味じゃ水俣以上だった。/「大事な所、危な
い所は朝鮮人を使うな」という決まりでした。/上下意識が出てきた
087 日本人は工場第一、生命第二で、アンモニア吹き出して息もできない中を、飛んで行って止めますよ。
089 打ち据え/終戦まで日本人で工場を運転するという原則通りでした
090 本宮《ほんぐう》/竜興《りゅうこう》
092 直江津/馬鹿でも日本人ていうてな。/ゴマすらんことには、いくら一生懸命働いても昇給も上がらんし、
昇格もせん。
093 朝鮮人に一番やかましくいったのは、朝鮮人同士で朝鮮語使うなていうことたい。何を話よるか、分から
んからな。/ビンタ
094 すぐ打っ叩く/三角山《さんかくやま》/「朝鮮人はぼろくそ使え。朝鮮人からなめられるな」と言われ
た。/殴りよった。
095 焙られ方は水俣工場の段じゃない
097 「ドラフト(通風口)を大きく作って、赤い火がいつもプワプワするように焚け」
102 汽列車(朝鮮窒素子会社新興鉄道/給料も面白いように上がっていきよった。/欲との二筋道/
103 木浦《もっぽう》
104 しょっちゅう打っ叩く
107 竜興工場
109 幼年工の育成/鹿児島の根占農林と大分の宇佐農林から四五名、興南の合成工場から来たのと、兵隊上が
りの現地採用者が数名ずつ/幼年工の育成
110 仁川の少年刑務所
112 廃液は最初のうちは全部たれ流しました
116 憲兵が立っていた/少将
122 二股膏薬
123 「もしも製缶人間ならば、電信柱に花が咲く」
124 植民地に行ってみれば、日本人に生まれてよかった、てはじめて分かるもんな/日本人でもろくでもない
奴が多かったな。反吐を吐きたくなるような。食い詰め者の逃げ所が、朝鮮、満州だった。/特に若い者は腐っ
てしまう
125 主な反応さえ注意されとりゃいいじゃないか/技術者でもそのためにずいぶん亡くなったです
126 そういう総合的な研究はいっさいない
127 新しいのは、みんな赤字続きですよ。
129 いまだったら大公害事件ですよ
130 ロケット兵器用に純硫酸を作れという命令
131 日本人工員は九州と東北が多かった
132 金シャクメイ 治安問題
137 水銀が一番値がするんですね。
139 叩く、ビンタする、そりゃやるですよ。 諜報、すぐ水ホースを、こうしてそいつの口にな。 軍隊出 看
守上がり 朝鮮人は警察官上がりじゃないと使わなかった。
140 富田商会
142 その金券は、富田商会指定の朝鮮人の店でしか使えんです。
143 木刀で叩けば、アイゴウアイゴウて、
144 朝鮮人だけでゴジョゴジョいうときは、悪口いうんじゃろうなと思ってな。
145 殴りよった。/柱に縛りつけて、身動きもできんように縄で縛りつけて、警備どもが棒で打っ
147 朝鮮人を尊敬
149 俺は朝鮮人以上に朝鮮だったんじゃ。
152 俺が工場を可愛がってやる。工場から可愛がってもらうのじゃなくてな。/伊藤雄之助 「俺より下は居
ない」
153 九竜里に行けば、ドラゴン、春雨、楽園会館。天機里に行けば、赤玉、オリオン、金春、武蔵食堂……カフ
ェは多かったもんな。
154 天機里の赤玉
156 銭払うふりして、朝鮮ピー
157 七つした。
158 朝鮮ピー ロシア人の女ばかりいる遊郭
162 もう桶の中に手を入れて盗っている。
163 それが下地にある。
167 咸興連隊、私は朝鮮語を書いて、見えない所に張っておいた。
173 炊事は電熱器ばかりです。
175 「奥さん、そんなに。私きつい」
178 着競争
179 日本人であればどんなおかしな人でも奥さんでした。/死体
181 満州、その下宿人はおかしな男で
183 リャンバンの家は、大きなお寺のような家だった。
187 支那人部落
189 自殺/幽霊
195 満州人、商売女じゃあるまいし、奥さんは、いつも博打うちに行って、馬券買いに行きよった。それもよ
っぽどお金を持っとってするのかな、と思っとればそうじゃない。
199 朝鮮語憶えた人は少ないですよ。/話をするどころか、二、三人組んどって、オモニのリンゴや卵を後ろ
に転がしたり、着物の中に入れたりしよった。日本人は、それだけ横着になっとったわけです。/でも話をする
ことと、信用することはまた別ですよ。朝鮮人の心は怪しいですもん。怪しかった。心は許せんかった。あらゆ
るものを打ち解けてみせたり、聞いたり話したりしたらだめです。心が打ち解けるということは、その話を全部
取られてしまって、智恵も残部くれてしまうわけですからね。
200 わざわざ映画館の傍で畑作っとらった。/「朝鮮まで来て汚れて!」/咸興連隊 「旅の空で何といわれ
ても、故郷の人が見とるわけじゃなし」
201 ただ、内地の生活を基準にして、朝鮮で暮らしとるというだけのことでな。だけど、海を渡って朝鮮に着
いたとたん、日本人であれば生活は一段も二段も上がる。一八〇度変わっとたい。
202 記念写真たい。手の上に白いハンカチをかぶせているのが、おばさん。「百姓しとったで、指の節が太いか
ら見苦しい」てこうして隠しとった、ていわったばい。朝鮮では、百姓しとったていえば軽蔑された。/それが
鍵を二〇ばかり持っとって、ジャラジャラさせながら工場に行くもん。「何に使うとかな」「何もかも鍵かけとか
ないと、おっ盗られるもん」ホホオ、恐ろしい所だなぁと思った。水俣じゃ、鍵の生活なんてしたことないじゃ
ろ。
204 その女ン人は結婚した朝鮮人と、流れ流れて興南に来たんだろうな。ああいう貧民窟みたいな所に、乞食
の家みたいな家に居って暮らしとれば、昔の知り合いに出合えば、そりゃ逃げたくなろうもん。/朝鮮人部落の
朝鮮人と、水俣から朝鮮に行った俺共は、同じ根で、どっちが上に乗るかだけやったかもしれんたい。でも、そ
れはいま考えることであって、その当時は朝鮮人ていや、ただ馬鹿にしとったもんなぁ。
211 憲兵隊/上司抵抗罪
214 「見えん所でしてくれ。治安上よろしくない」/糖蜜
216 特別練成隊/半分、囚人と同じ
217 九竜里/NZ(ロケット燃料)
219 佐世保海兵隊の第十五特別陸戦隊本部
222 義安隊
227 晩に劇場なんかに火つけに行くとですた。
228 ウンコの町
229 連隊本部
235 工場も当り前運転
236 囚人部隊/保安隊
239 第四巻
246 保安隊
251 保安隊/日本人さまが朝鮮人やろうに、朝鮮人やろうが日本人さまになった。
255 保安隊
256 強姦
258 カムチャッカ/三角山
259 三角山
260 三角山/保安隊
262 三角山/幼年工
263 女郎が射殺され 三角山
266 興南には、戦争がひどくなってから内地から連れて来た幼年工がうんと居ったですもん。
269 保安隊
270 死体の解剖/保安隊
274 破壊命令/日本人が毒を入れる
275 保安隊
276 宗像英二/大島幹義
278 餓死者
279 松花江ダム/空閑徳平/鹿島建設
280 金紅という政治部長/京大事件
281 旭ダウ/角田吉雄/保安隊
282 昭和二二年の春に、最初の正式な引揚船が来ました。
289 保安隊
290 三防峡/モンザン
291 保安隊/「お前たちは井戸に毒を入れるんじゃないか、ここは通らん」
292 保安隊/捨てられた子供
296 三防峡
298 モンザン
317 兵隊の会でも学校の会でもありますよ。水俣からあれだけ朝鮮に行ったけど、朝鮮の会というのだけはあ
りません。それで分かるでしょう。
321 「同人緑遥かに