『梶村秀樹著作集』完全復刊をめざす会・第6支部[ハンバンパク!!!]

名は体をあらわす。伝説の歴史家・梶村秀樹先生(1935年~1989年)の著作集の完全復刊をめざす会です。ほかにも臨時でいろいろ。

「黄土の村の性暴力」(2004年、石田米子ほか多数、創土社)の紹介

〇目次

はじめに(石田米子)   (006)
第一部 証言・資料篇 山西省盂県農民からの訴え

盂県西部における性暴力被害者への聞き取り調査の概要(石田米子)   (015)
〔付表〕現地調査経過   (024)
山西省盂県農民における日本軍性暴力の証言記憶   (035)
一、河東村のその周辺   (037)
 尹玉林 河東村(被害女性)(整理・石田米子)   (037)
 楊時珍 河東村(被害女性)(整理・福田宏幸)   (044)
 楊喜何 河東村(被害女性)(整理・佐藤佳子)   (046)
 楊秀蓮 河東村(被害女性南二僕の養女)(整理・川口和子)   (049)
 楊時通 河東村(同村の古老)(整理・加藤修宏)   (056)
 楊宝貴 河東村(同村の古老)(整理・加藤修宏)   (065)
 南拴成 南頭村(被害女性南二僕の弟)(整理・川口和子)   (073)
二、西煙と南社   (076)
 高銀娥 南社村(被害女性)(整理・佐藤佳子)   (076)
 趙潤梅 西煙鎮(被害女性)(整理・川見公子)   (079)
 張先兎 西煙鎮(被害女性)(整理・田巻恵子)   (083)
 張さん 南社村(同村の古老・被害女性の弟)(整理・加藤修宏)   (086)
三、遊撃戦下の村々   (093)
 万愛花 羊泉村(被害女性)(整理・共同)   (093)
 趙存妮 尭上村(被害女性)(整理・小林千春)   (111)
 王改荷 候党村(被害女性)(整理・川見公子)   (114)
 葛孟五 木來凹(同村の古老)(整理・芹沢明男)   (117)
 劉昧拴 趙家荘(同村にいた辛荘の古老)(整理・芹沢明男)   (120)
 王双妹と楊喜翠 南貝子村(同村の村人夫婦)(整理・坂本博美)   (122)
 王双隊 小掌村(同村の古老)(整理・坂本博美)   (124)
 張喜花 小掌村(同村の古老)(整理・坂本博美)   (124)
証言解説 大娘たちの村を襲った戦争――盂県の農村から見る日本軍の相貌(加藤修弘)   (126)
   はじめに――黄土の村から   (126)
   第一節 盂県における侵略戦争の展開   (129)
   第二節 大娘の村に何が起こったのか   (143)
李貴明さんのこと(川見公子)   (186)
〈調査記〉進圭村拠点日本軍による性暴力被害と羊泉村村長の殉難(張双兵)(整理・翻訳石田米子)   (188)
(一)日本軍による性暴力――日本政府に最初に訴えた候冬娥の被害   (189)
   (二)羊泉村抗日村長李喜順の殉難   (194)
中国側文献資料『盂県文史資料』が記述する「惨案(住民殺戮事件)」(翻訳・友野佳世) (200)
   南社村における日本軍による大虐殺の記録   (201)
   西煙鎮住民に対する日本軍の残虐な罪悪行為   (203)
   上文村民の恨みに満ちた告発   (205)
   嶺南惨案実録   (206)
   尹家溝の二度にわたる災難の記録   (207)
   盒子掌の五人の村民の虐殺   (209)
   上撲頭では一九人、趙家荘では二五人が惨殺される   (210)
   日本軍における魏家溝における惨殺事件   (213)

第二部 論文篇 山西省における性暴力とその背景

 日本軍性暴力に関する記憶・記録・記述――山西省における戦場性暴力の調査から(石田米子)   (217)
   はじめに   (217)
   第一節 山西省檔案館所蔵の「抗日損失」に関する檔案   (218
   第二節 寿陽、楡次、平定、和順等各県に於ける「損失」の内容と性被害   (219)
   第三節 抗戦損失記録から読み取れるもの   (222)
   第四節 調査と記録の背景――戦後初期の損失と罪行の調査   (225)
   第五節 記憶と記録の関係性   (228)
   おわりに   (232)
 山西省日本軍慰安婦」と盂県の性暴力(石田米子内田知行)   (238)
   はじめに   (238)
   第一節 「慰安婦」研究の展開の中の盂県性暴力の認識   (239)
   第二節 日本軍占領下山西省地方都市の「慰安所」   (243)
   第三節 太原市内の日本軍慰安所」   (253)
   第四節 「慰安所」と強姦の相互関係   (259)
   おわりに   (264)
 天津における娼妓制度と日本軍慰安婦」(佐藤佳子)   (272)
   はじめに   (272)
   第一節 天津娼妓精度   (273)
   第二節 『天津特別市政府警察局文書の検討   (283)
   おわりに   (293)
 田村泰次郎が描いた戦場の性――山西省日本軍支配下買春強姦池田恵理子)   (296
   はじめに――なぜ田村泰次郎
   第一節 田村泰次郎従軍体験と戦争文学
第二節 八路軍・女性兵士と日本兵
   第三節 朝鮮人慰安婦」たち
   第四節 性暴力にさらされた中国人女性たち
   おわりに
 山西省における日本軍特務機関と傀儡政権機構――盂県での性暴力に関連して(堀井弘一郎)   (326)
   はじめに   (326)
   第一節 日本側特務機関   (328)
   第二節 傀儡政権機構   (335)
   第三節 盂県の場合   (344)
 山西省盂県における日本軍占領統治と抗日運動(内田知行)   (361)
 あとがき(内田知行)   (407)
 年表   (414)





索引
242 偶発的な事件ではけっしてない
244 まず、盂県県城の「慰安婦」であるが、これまでの調査では中国側の檔案・記録・記述等の文献資料は見出すことができない。日本軍の暴行と抗日に詳しい記録・記述のある盂県史志編纂委員会編『盂県志』(方志出版社、一九九五年)、中国人民政治協商会議山西省盂県委員会文史資料研究委員会編刊『盂県文史資料』第四輯、一九八五年八月等にも、「慰安所」の記述はない。しかし、ここ二、三年ほどの間に、盂県文史資料研究委員會の趙潤生氏らが証人を探し、「慰安所」跡を調査されたと聞く。
244 日本兵・山本
245 宣撫班の元班員市川
262 本人の望まない性的関係の強制は、直接暴力的であるか権力的関係であるかを問わず全て性暴力であると理解されるからである。
263 独混五旅一九大隊の元兵士・桑原節郎
266 『ガマに刻まれた沖縄戦
280 特に、この胡同で注目すべきは、多くの朝鮮人妓女たちが/日本からも多くの妓女がやってきた
282 パスツール化学研究所があった
283 資料は四種に分類することができる。第一種は、河南省日本軍に慰労させた事例(一九四四六月五日~一〇月七日)に関する資料で、二〇件ある(①類とする)。第二種は、「軍人倶楽部」で慰労させた事例(一九四五年四月一二日~六月二二日)に関する資料で、二〇件(②類)、第三種は「東駅会館」で慰労させた事例(一九四五年七月三日~一〇月五日)に関する資料で、三六件(③類)、第四種は、山東省日本軍に慰労させた事例(一九四五年七月三十一日~八月一八日)で、九件ある(④類)。
286 逃亡支援組織があったのではなかろうか
317 戦時買春の荒野だけが広がっている
322 戦場にある、そういう一人の兵隊に執拗につきまとうものを、私はどこまでも追及して行きたい/彼は自分で納得のいくまで戦場を書けたのだろうか。/田村泰次郎は一九八三年(昭和五八年)、脳卒中で亡くなった。七一歳だった。
323 戦後をどんな風に生きてきましたか?
330 青江舜二郎
334 一旗組
343 山西省総会会長には省長の蘇体仁がついた/蘇体仁会長さえ「新民精神と言っても一般には判らぬし、私は三民主義が一番いいと思う」と述べるありさまで
348 抗日親日の二重政権をもつ村は二〇二カ村に達した