なんでこういうことを言うか、たとえばペシャワール会「元」代表の中村哲氏は、中国帰還者連絡会や元「慰安婦」よりおそらく圧倒的に有名な人だが、あの人が火野葦平という作家のおい、という情報があったとして、「何かあったんだろうなあ」とちゃんと気持ちをこめて言っていた「ロスジェネ世代」の人は、わたしが見るかぎり、一人もいない。そして「昭和」世代も同じだった。それは、人間の愛情というもの対して致命的に鈍感ということだとつくづく感じる。そんな連中の支持するシニシズムはうすっぺらな情けないものだろうし、正直、卑しいので、ついていけない。