『梶村秀樹著作集』完全復刊をめざす会・第6支部[ハンバンパク!!!]

名は体をあらわす。伝説の歴史家・梶村秀樹先生(1935年~1989年)の著作集の完全復刊をめざす会です。ほかにも臨時でいろいろ。

まんが「子供を殺してくださいという親たち」第7巻メモ (時間がないので引用とメモだけ、あとで整理するかも)

第7巻メモ、

第7巻をとりあげた感想記事は1こしかなかった。

本作より引用
「人間は」「1人では生きていけないし 1人では助からないんだ」

「100万はくだらないでしょう」
「海外にはかなり行かれていたんですか?」
「子供のときから 数え切れないほど……」

「貴仁さんをこのままにするほうが よほどかわいそうだ」
「でも……」
メモ
「でも」じゃないんだよ、ここは病院に連れて行くのが最善。子どもの状態を理解しようとしていない。そこまで悪くないはずと根拠なく思っている。

「貴仁も40になりますが いまだ目に入れても痛くないかわいい孫で御座います」
メモ
ここで重い病気の状態の現在の「貴仁」の一枚絵。まっとうな判断をするならば、自分で無理にでも病院に連れてい行くか、せめてO氏になりふりかまわず「病院につれていってください死んでしまいます」というべきだ。なぜそうしないか、が問題になる。


「残念ながら あなたの話は 心《ここ》にこない」
メモ
生き死にがかかっているときに、まっすぐ目をあわせるかどうかが、その人が人間としての自信があるか、信用できるかどうかの一つの基準になる。
この一連の場面で、O氏は相手を見ているのに、依頼者の母はちゃんとO氏の目をまっすぐみない。祖母はまっすぐみる(威圧としてだが)。




「私たちの意見よりも 押川先生のお考えで押川先生に中心となってやっていただきましょう」「そのほうが私も納得がいきますし どういう結果になろうと異義は唱えません」
「そう…… ですか……」「では一つお願いがあります」
「何でしょう」
「おばあちゃん…… あなたがこれまで どのように生きてきたのか それを包み隠さずお話いただけますか」
(略)
「私はその中に 姫岡家の「答えが」 隠れていると思うのです」「もちろんその話はすべて 百合子さんにも聞いていただきたい」
メモ
祖母のほうがずっと圧力をかけつづけたから、O氏は覚悟を試す意味もこめて、ボールを投げ返した。
それにしても「(息子の、孫の)命だけは助けてください」とは言わないんだな。遅いのかもしれないが、やはり驚いてしまう。そこまでして自分の人生のやりかたを守ろうとするのか。


「その実態は 男性のお世話全般」
メモ
祖母、平静をよそおっているが、ショックを受けないはずがない。

「そうですね ばっちり見えました」
メモ
私は最初読んだ時、ええっ、もう!? と驚いた。


「なぜそうなったかわかりますか?」
「(沈黙、少し伏し目)」
「それはあなたのやり方が100%「女」としてのそれだったからです」
「それは……」
「百合子さんは女性だからこそそのやり方を教えることで」「なんとかうまくやってこれた」
「しかし貴仁さんは」「「男」だ」
「だから私は……」「あの子に一流の環境を……教育を与えてきました」
「(略)に対して甲斐甲斐しく世話を(略)」
「まるで「男」に」「尽くすみたいに……」「違いますか?」
「それは……」(ここで目を下にそらす)

「(略)いわば下半身を最大限に使った生き方をしてきたからこそ(略)」
「でもね……」「私も最近思うのよ……」
「下半身が通用するのはほんのいっとき……」「それだけの人たちはみな早々に沈むか死んでいった……」
「私らなりに少しでもアニマルから人間にならないと」「そうじゃないとなーんにも続けられないわ」
「そうだな」「……」

メモ
この部分、一回読んですぐすべてを理解できる人がそれほどいないだろう。


人の多いところをえらぶ→見かけだけは上品に育てられていないから、人の多いところでめったに暴れたりしないだろう、と予想した。

はっきりいえば、対象者を半分はだましたことになる。「安全な場所」というところはだましていないが。あれ以上あばれなかったのは、祖母に切り捨てられたといやでもわからされたからだろう。人命優先とはいえ、予後が悪くなる行為、それはO氏もわかっているのだろう。だから「最後の取引」という題名なのである。





インターネット上での感想より引用

「価値観のアップデート」

「投資先を見定める投資家の目線」でしかなく、「孫に愛情を注ぐ保護者の目線」にはなりえなかった。

「アニマルから人間にならないと」「それだけの人たちはみな早々に沈むか死んでいった…」

「実は絵がいい。」






新井真一
「先生以外には誰もほかに考えていません。七〇年三月十五日からと会期も決定し、間もなく世界中に参加招請状を発送します。その中心になるテーマ館です。いま十億の予算があります。この予算を全部お渡しして、お任せしますから。どのようにお使い下さっても、口は出しません。もし絵を一枚描いて、これがテーマだよとおっしゃれば、それでも結構です。」