わたしは、「おあそび」が大嫌いだ。まして、生き死ににかかわることについては。
私はあるいみ反則なことをしてしまうが、やはり中村哲氏のエピソードを引用しよう。
以下は、谷津さんが、現地のアフガニスタン人から聞いたという話だ。
現場を見に行った中村さんは、用水路の一部を壊して水を逃がさないと村が危険だと感じた。
みずから、パワーショベルに乗って、作業に当たろうとした。
「下手をすれば、パワーショベルごと流されて死んでしまう」
村人たちは中村さんを止めた。
このとき中村先生さんは、静かに、しかし決然と人々に告げた。「私は、用水路とアフガニスタンのためなら死んでもいい。あなたたちもアフガニスタン人でしょう。自分たちの村を守るために、今、やるべきことがあるのではないですか」
それを聞いたアフガニスタンの人たちは、雷に打たれたようだったという。
覚悟を決めて用水路にパワーショベルを持ち込んだ。
古いタイヤも持ってきて、チューブを引き出し、応急の浮き輪を作った。
誰かが流されたら、自分たちも飛び込んで助けるつもりだったという。
力を合わせた作業の結果、村は、そして用水路も守られた。のちに谷津さんは、「こんなことをおっしゃったんですか」と中村さんに聞いた。
「いや、私、そんなこと言いましたかな」と、中村さんはとぼけていたそうだ。(略)
大好きなのは「クレヨンしんちゃん」
そんな中村さんだが、決して聖人君子のような人ではなく、とても親しみやすいところがあったそうだ。
(略)
結局、消費文化がナマの人間の卑劣も勇気にむきあうことができなかった、というだけのことではないか。本当には言い切りたくないことだが。
あとでこの記事を多分消す。