1967年6月8日、東京都青山の岡本太郎宅を訪れた新井真一(1970年大阪万博事務方トップ)はこんなことを言った。
「先生以外には誰もほかに考えていません。七〇年三月十五日からと会期も決定し、間もなく世界中に参加招請状を発送します。その中心になるテーマ館です。いま十億の予算があります。この予算を全部お渡しして、お任せしますから。どのようにお使い下さっても、口は出しません。もし絵を一枚描いて、これがテーマだよとおっしゃれば、それでも結構です。」
『岡本太郎に乾杯』(岡本敏子)、『「太陽の塔」新発見!』(平野暁臣)より。
あれをこえることだけを考えるんだ。結果は後でついくるはずだ。ここに一切の冗談はない。
無謀なのはわかっているんだ。