「ぼっち・ざ・ろっく」にせよ「けいおん」にせよ「響け! ユーフォニアム」にせよ、多数のアイドルアニメにせよ、わたしには、「うまい歌」というものを前提にしているとしか思えない。それが作品全体を否定するわけではないが、そういうことを考えないといけない。
「当り前じゃないか」と思うだろうが、それは違う。はっきりそういわないといけない。それは何かが決定的に間違っている。そして、「へたな歌」を肯定する、というのは、手加減してそうするわけではない。言ってる私がいまこの瞬間にもへんな感じがしているが、そうしないといけないのである。
「自分の中に毒を持て」(岡本太郎)の「道は一本か、十本か」という章のなかに、これに直接関係する記述がある。
「先だって、ある身体障害者の音楽家にあった。顔のつやは好いのだが、筋が委縮する病で~」という部分。