もう亡くなった、「爆笑王」桂枝雀(1939年―1999年)のエピソード。
ある日、桂枝雀氏が友人の小佐田定雄氏と夜出ると、大変な人だかりだった。
なぜこんな人だかりなのかと人に聞くと、阪神が優勝したとのことだった。
芸にあまりに熱心で、阪神の優勝戦のことをすっかり忘れていた。一流の人はこうでないといけない(かもしれない)ということである。
自信というものは金で買えない大事なものである。たとえ奇妙な姿をしていても、つまらなくないことの役に立つならそれでいいのである。
(初期から中期の)マルクス主義はともかく、国民国家論者には、自分の自信に関するエピソードが少ない。後年、無理な論理構成をしておかしくなった西川長夫氏だろうか。