岡本太郎への挑戦は避けられない。絵でも、文章でも。あれほど出し惜しみしない人だったから。
『明日の神話』の注文主、スワレ氏(メキシコ人)は、岡本太郎氏の作品をみてすぐに気に入り、岡本太郎氏と直接交渉して『明日の神話』を注文した。
そのとき、自分が家一つあげてもいいからメキシコに住まないか、と岡本太郎氏にいったという。岡本太郎氏は、「日本で叩かれながら戦ったほうが人間として正しい生き方だとおもっている」と言って断った。
こういう出し惜しみをしないことを言えたのは、あとはせいぜい石坂泰三氏と丹下健三氏ぐらいだったのではないだろうか?