2022-12-05 「はだしのゲン」(中沢啓治)は、たしかに「古臭い」。なぜなら、 「遠近法の否定(※1)」という問題をあつかっていないから。べつのいいかたをすれば、「本物らしく」という問題をあつかっていないから。 たとえば、作中には「ゲルニカ」(ピカソ)が一度も登場しない。 だから、「遠近法遠近法、デッサンデッサン」というセリフは、創作というか造形をあつかう上で、きわめて問題がある。 「手に職」意識が前提にあるのが原因とみてほぼ間違いない。注釈するならば、過去のまんが全体で「遠近法の否定」をどこまであつかったかはきわめて疑問である。 ※1 空間と時間の遠近法