『梶村秀樹著作集』完全復刊をめざす会・第6支部[ハンバンパク!!!]

名は体をあらわす。伝説の歴史家・梶村秀樹先生(1935年~1989年)の著作集の完全復刊をめざす会です。ほかにも臨時でいろいろ。

ポスト真実の時代は、同時に基本の破壊の時代であるという法則がなりたつ――「河瀬直美が見つめた東京五輪」について

河瀬直美が見つめた東京五輪」のこと。

ほんの少しの人しか指摘していないが、この「ねつ造」は、しょぼい。
なぜ、NHK側にしろ映画作成者側にしろ、被対象者の男性(以下、「被対象者」と略する)に「金をもらいました、これだけもらいました」としゃべらせた映像をねつ造しなかったのだろうか?
そんなことを聞くな? 今回はあらゆる可能性を考えるべきである。

論点をもどす。何の目的にしろ、他人の話を聞いていて、「こういうことを言ってくれないかなあ」と、まったく思わない人はいないだろう。映像の関係者ならば、映像の力を知っているはずだから、一般人よりその欲望は強いはずである。もちろん、ねつ造するというのは絶対にしてはいけない。
ということは、今回のねつ造は、映像の力ということをうっかり外して実行されたねつ造、つまり基本の破壊だった、ともいうことができる。
NHK側と映画作成者側は政府に迎合しているだけから、そういうことを考える必要はない? わたしはそれこそ抑圧的で有害な考えかただとすら判断している。第一、取材者(NHK側と映画作成者側の両方)の取材者としての基本的な力量が落ちていない、という理由はまったく何もない。さらに、NHK側の不十分な説明のとおり、「ねつ造でない」ならば、NHK側の全員が「取材者としての基本的な力量が落ちている」ことが今回の事件の原因ということになる。

今回の「ねつ造」の件を観察していて、おもいだすのは「ひろしまタイムライン」事件と、「東海村臨界事故」である。特に、「東海村臨界事故」、あの事件の「バケツにウラン」はこれなしにはほとんど何も考えられないほど重要な点だと判断すべきである。