『梶村秀樹著作集』完全復刊をめざす会・第6支部

名は体をあらわす。伝説の歴史家・梶村秀樹先生(1935年~1989年)の著作集の完全復刊をめざす会です。

『A3』(森達也)への検証:本論7 1995年3月~5月のオウム真理教(3)

副題:地下鉄サリン事件以降の”迷走”は無視してはいけない

 今日は、麻原彰晃松本智津夫)が、第六サティアンの”隠し部屋”にかくれていたところを逮捕された日である。

【地下鉄サリン20年】隠し部屋に現金や肉…教祖逮捕の指揮官が振り返った“その瞬間”(1/3ページ) - 産経ニュース
【#平成】〈7〉オウム松本死刑囚「重くてスミマセン」逮捕時最前線の元刑事が激動の年振り返った : スポーツ報知
 
 これについてはあとまわしにするとして、である。
 高橋克也の公判において、オウム事件のほかの被告人の裁判ではあまりなされなかった、新宿駅事件と都庁爆発物事件についての証言がなされた。
 以下に、長めに引用し、私があちこちでコメントをいれる。なぜこんなことをするか、というと、この時期、ちょうど24年前の3月~5月ごろのオウム教団の迷走をきちんと示す必要がある、と判断するからである。

都庁爆発物事件公判 カテゴリーの記事一覧 - 高橋克也裁判傍聴記録

3/10都庁爆発物事件(証人:林泰男)①
都庁爆発物事件公判
3/10 都庁爆発物事件
証人:林泰男

1995/3/22の強制捜査どのように知ったか?
乗鞍温泉に行っていて、民宿のテレビで見た
その時は平田信と一緒だった

(略)

話し合いのメンバーには井上は必ずいた
石油コンビナート、ガスタンク爆破の案を出したのは井上
その他にも山形、I・Y、M・M、中村昇がいた
麻原の海外逃亡と警察を狙う案を出したのは山形
(←コメント:井上ではないのか?)

(略)

3/26に新宿の料理屋で井上と早川と会った
早川「近いうち麻原に会いに行く」
井上「国会突入か石油コンビナートを狙っていることを麻原に伝えておいて」
泰男「国会突入は無理だよ…」
という会話をした(←コメント:変装せずに行ったのか? 警察か公安に見つかる、と思わなかったのか? )

(略)

4/10頃、川越から西荻窪の一軒家に移った
メンバーは、中川、井上、豊田、広瀬、横山、W・K、M・S、M・S、Y・Z、T・M
(略)
騒ぎを起こす場所として、日比谷公園、築地、東京証券取引所があった
下見にも行っている(←コメント:「下見」が3月20日以降ならば、オウムが組織として、もしものときの計画をたてていなかったことになる)

(略)

村井が殺されてから、もうこういうことはしない方向になるのではと思った
I・Eを介して麻原に聞いたが、計画に変更なしとのことだった
また、上祐に急き立てられた
急き立てられるとはどういうことか?
上祐は横浜での異臭騒ぎがオウムの犯行だと勘違いしており、「そんなしょぼいことやってんじゃねえ、もっとデカいことをやれ」と言われた(←本記事とはあまり関係ないが、これが事実だとすると殺人未遂である。上祐と警察は何らかの取引をしたのでは?)

(略)

青酸ガス事件については、麻原から新宿を指定されていた
4/30の一回目は自分単独の犯行→作動せず。トイレに入った清掃のせい?
5/3の二回目は装置を仕掛けることができなかった
5/5の三回目はまず清掃終わるのを確認してから仕掛けた
ガスを発生させる装置はだれが作ったのか?
中川が関わっているのは確実
豊田もやっているかもしれない
5/5の実行の際は高橋を使おうと思っていて、「紀伊国屋近くの珈琲専門店に来て」と指示を出していた
この時点で具体的な内容は言わない方がいいと思った
T・MからY・Zを通して清掃が終わっていると連絡が入り、その後中川仕掛けた
高橋を使う必要がなくなったので、自分が珈琲店へ向かい、帰っていいよと言った
その後テレビで、ガスは発生しなかったとニュース見た
個人的には、今回の、騒ぎになったけれど被害者は出ずという形がベストだと思った
また次も何かしなければならないが、みんな精神的に疲れており、そんなこと考えられない感じだった(←コメント:未遂に終わったこの事件だが、一度目の失敗以降、大勢の警察が新宿駅を見張った、というわけではないのはほぼ確実。警察→マスコミのルートでバンバン情報を流せばよかったのではないか? 警察も最善の対応を目指しているとはとてもいえない。)

その後八王子に行った際、I・Eから麻原のメッセージが伝えられた
「有能神が怒っている」という内容だった(←コメント:このメッセージはおそらく本当に麻原(松本)が出したのだろう。もう隠す必要もないから。それにしても、計画中止でも計画推進でもない、というのは軽視できない。)

(略)

どうして都庁狙ったのか?
当時の青島知事が都市博覧会を中止にして批判されていたので、狙いやすかった
都が教団の解散請求をしようとしていたことは知っていたが、それは関係ない(←コメント:犯行の動機になってないのだが……)

(略)

麻原からのメッセージのあと、すぐに知事公邸の下見にいった(←コメント:都庁じゃないのか?)
5月の下旬ごろ、井上からの指示だった
渋谷にある公邸場所は、高橋が教えてくれた
爆弾を入れる本は、証人が買ったのではないか?
多分違うが、はっきりとは言えない(←コメント:全員で情報を共有していないのか?)

〜〜〜〜〜お昼休憩〜〜〜〜〜

3/10都庁爆発物事件(証人:林泰男)②
都庁爆発物事件公判
弁護人尋問

(略)

井上のことは嫌いなのに、どうして井上の言うとおり下見にいったのか?
井上の言うことは麻原の意思だと思った
それは本当に麻原の意思なのか?
井上の場合、みんなで相談した後で一人で瞑想して、「相談で決まったこととは違う!」と言い出すことがあった
彼のいうグルの意思とは瞑想中のグルのことで、そこに私が立ち入ることは出来ない
そういうつながりを信じていた(←コメント:押しの強いワンマン社長というのを思い出させる)

(略)


自分は常に、なるべく被害が出ない方法を考えていた(←コメント:第三者から見て、林泰男の行動が引きのばしになっていたとは思えない。判決でも認定されなかった。)

(略)

青酸ガス事件について、誰かが用を足しているときに発動したら死ぬのでは?と言ったが、中川が「作動したら煙が出るから、出たら逃げるでしょう」と言った(←コメント:本当だとしたら、いったい何がしたいんだ、という話である)

(略)

その際の井上のリアクションは覚えていない(←コメント:井上の証言とてらしあわせるべきだが、本当ならば締まりのない話である。)

(略)

検察官最終尋問

(略)

人を殺そうと思っていたのでは?
それは絶対に違います(←コメント:この証言はおそらくウソというわけではない。目標を共有していなかったということではないか)


裁判員⑤さん
麻原の逮捕を伸ばすためとは違うもう一つの流れとは具体的に何か?
日本の王になりたいとか、シャンバラ化計画とか、天皇殺害とか、すべての事件の流れの根底にはそういものがあった(←コメント:大した野望の割には、3月~5月に相互の連絡がほとんどことなど、ずさんなうえに緊張感がない)

(略)

〜〜〜〜〜終了〜〜〜〜〜

3/11都庁爆発物事件(証人:中川智正)①
都庁爆発物事件公判
3/11都庁爆発物事件
証人:中川智正
(都合により午前のみの記録です)


(略)

上祐「第七サティアンにどういうものがあったか?」
中川「すぐにサリンプラントがばれてしまうと思う」
上祐「そうか、もっと早く話を聞くべきだった」(←コメント:当たり前だ、もっと早く言え、という話である。3月23日にはサリンプラント(最大)のは警察側に見つかっていたのだから。)
村井「操作撹乱のため、事件を考えてほしい」

(略)

日光での作業は4/5と4/8の二度
この作業には約30人が関わっている
埋める作業を行ったのは20人程度
私、井上、林泰男、T・M、中村昇、端本悟、W・K、広瀬、豊田、被告人の顔も見たことがある(←コメント:警察に見つからなかったのか?)
どのように埋めたか?
箱やビニール袋を被せた
何かあった時に取り出せる配慮をした(←コメント:4月10日に決まったのか? おそすぎないか?)

(略)

その後、温度計やビーカー、フラスコ、pH試験紙や鉛玉などを購入した(←コメント:このときに買ったのか? 警察に見つからなかったのか?)

4/16井上が上九に行き、麻原の指示を確かめることになった
その会話の内容を4/18に以下の通り聞いた
麻原「お前はなにもしないなら帰ってこい」
井上「やります」
麻原「どうしてクーデターを起こさないんだ」
井上「自衛隊員をそういう風に育ててない」と誤魔化したらしい(←コメント:リーダーが把握していないとはどういうことなのか?)
麻原「4/30までにコンビナートが燃え上がるのを楽しみにしているよ」(←コメント:そういいながら、あっさり中止しているのだが……)
麻原「豊田を使え。使い物にならない横山、広瀬、W・Kは帰ってこい」
単純な指示ではなく、楽しみにしてるよと言われると、弟子としてはやれと言われるよりつらかった
やるしかないと思った(←コメント:ごまかしなれてない感じがする。ウソをついていないと思ったほうがいい。)

4/18八王子ルミエールセゾンに私、井上、豊田、T・M、M・S(食事の世話をしてくれる女性)が集まった
豊田が、鉄板に穴を開けるにはどのくらいの爆薬が必要か調べたが、RDX等でもキログラム単位で必要だと分かった(←コメント:豊田の他の証言から考えて、前もって計算値を出しておかなかった可能性が極めて高い)

(略)

4/23に村井刺殺事件が発生し、24日未明に亡くなった
その後、4/24or4/25にみんなで集まり起こせる事件を起こそうと決定
その場にいたのは、私、井上、豊田、林泰男、(T・Mもいたかもしれない)
被告人は明確にいなかった
出来ることからやろうという話になった(←コメント:組織防衛の面からいっても必然性ゼロの、バカげた流れで決まったのだから、泣くに泣けない話である。)

(略)

小包型にするという決定は、この時点ではなかったかもしれない
私でも爆弾を作ることができるが、作るのに専門家がいた方がいいということになり、私か井上のどちらかが被告人の名前を出した
井上が被告人に連絡を取り、ルミエールセゾンに来るよう指示した
このやりとりの場面に他の人がいたかどうか分からない(←コメント:記録にあるかぎり、オウム真理教は”爆弾”をつくったことがあるわけではない。高橋克也は、あくまで”起爆装置”をつくったことがあるだけ、と考えたほうがいい。)


3/11都庁爆発物事件(証人:中川智正)②
都庁爆発物事件公判
(略)

4/26それぞれが買い出しに行き、買った部品を持ち寄った

(略)

青酸ガス事件は4/30、5/3、5/5に3回仕掛けたが、すべて失敗した(←コメント:前にも言ったが、なんで同じ駅に二度も三度もしかけて、失敗して、しかも実行犯が捕まらないのか。大変不思議である。)
自分は青酸ガスに作成も設置も関わった
この失敗という結果を知ったあと、虚脱状態になった
騒ぎになったし、人が死ななくて、それはそれでよかったという感じもあった(←コメント:何をいまさら)
しばらく、精神・肉体的になにも出来ない状態だった
その後、I・Eからメッセージが届いた
1、一週間以内になにが起きても、心を動かさないように
2、有能神が怒っている
というものだった
これについて自分は、
1、麻原が逮捕されるのだろうという予言
2、麻原の逮捕に対して、神が怒る
と解釈した(←コメント:「解釈した」という言い方はおかしな言い方である。中川が言い訳をしているようでもないし、どうも妙である。)
そして、事件を起こすしかないと思った(←コメント:だからなんでそれしか考えないのか)
この有能神メッセージを、麻原が怒っていると解釈して証言している人がいることは知っているが、自分はそう思わなかった

(略)(←コメント:本をくりぬいて中を空洞にするタイプの爆弾をつくった過程がいろいろと証言されているのだか、そもそも本をくりぬく必要などないではないか? 被害者にはどうでもいい話だが、中途半端にものを考えるオウム実行犯の悪い癖がここでまた出た、と考えたほうがいい。)

この時点で鉛玉もいれるかどうか決定する必要があった
鉛玉を入れれば、殺傷能力が高まる
井上のところへ相談へ行った
中川「鉛玉を入れれば確実に相手が死ぬ、どうするか?」
井上「い、いれたらええんちゃう?」
いきなり関西弁になり、どもった
言葉を標準語にすれば「入れたらいいんじゃないか」ということになるが、顔も引きつっており、判断に困った(←コメント:井上もいまさら何を逃げ腰になっているのか。結果的には殺人にならなかったわけだが……)
その後被告人に相談した
中川「どうしよう、アーナンダ師は入れたらいいって」
被告人「やめよ、やめよ」
苦いものを舐めるようなしかめっ面で、二回手を振るような動作をして、そう言った
自分はそれを聞いて、井上に伝えに行った
中川「スマンガラ師が入れなくていいって言っている」
井上「それでいい」と標準語で言った(←コメント:爆弾は設計の時点で日本国の刑法違反、そんな重大事にこんな中途半端にすすめていたとは、いまさらながら驚かされる。過去の政治犯による爆弾事件では、ほぼありえない過程ではないだろうか?)

(略)


〜〜〜〜〜わたしの傍聴記録はここまで〜〜〜〜〜
実際はさらに4時間弱ほど続いています

3/12都庁爆発物事件(証人:井上嘉浩)①
都庁爆発物事件公判
3/12都庁爆発物事件
証人:井上嘉浩

地下鉄サリン事件の後、今川の家において新実から電話で連絡を受けた
「上九に強制捜査が来る、逃げろ」という内容だった(←コメント:たぶん本当だろうが、何をいまさら、である)

(略)

3/23には、麻原が脱出したいのであれば出来るように、準備していた
林泰男から電話があり、都内で会うことになった
林泰男も一緒に逃走することになり、みんなで富士に向かった
その際林泰男が「一発やっても後が続かなければどうしようもないな」と言ったので、VXが使用できること、永岡さんが入院していることを伝えた(←コメント:たぶん本当だろうが、何をいまさら、である)
富士に移動する際に検問が突破できず、東京へ戻り、長瀞に行った

(略)

早川と会って話した際、
井上「4/9に都知事選がある。これに便乗しよう」
早川「調査が必要。T・Mに、石原信雄のところに爆弾を仕掛けられるか確認するよう指示しろ」
その際、同じく出馬していた青島都知事については何も考えていなかった
T・Mが石原信雄宅に偵察に行き、警備がないと分かったので、早川に報告した(←コメント:警察側の情報をほとんど持っていなかった、と推測できることを示している)
しかし、その後の他のワークにより、この話は立ち消えとなった

(略)

4/11村井から青山道場に来るよう指示があった
村井「麻原からの指示、神々の示唆で、自衛隊でクーデターをやれ」
井上「彼らに無駄な死を迎えさせたくない。私に死ねということですね」
村井「そこまでは言っていない。やっぱりダメか」(←コメント:井上はウソをまぜることが多いようだが、中川の証言とてらしあわせて、「クーデターをいいだして、やっぱり中止」という流れは本当だろう。)
そこへ中川がやってきた
村井「このままでは教団は崩壊してしまう」
中川「青酸ガスならすぐできますよ」
村井「気化爆弾がいい。W・Kもしくは豊田が知っているはず」

(略)

4/16村井から「松本知子が上九に来るように言っている」と言われた
松本知子は麻原の隠語と認識していた
麻原の部屋にて、
麻原「警察にばれていない信徒はいないか?新しいグループを作りたい」(←コメント:そんなものろくに把握できていないくせに)
井上「名簿が没収されているから無理です」
麻原「4/30までに石油コンビナート爆発をやれ。どうしてクーデターを起こさないのか」
井上「いまレンジャーの訓練をやっています」
麻原「今年11月までに逮捕されなければ予言が成就する」(←コメント:本人も本気のハッタリ、というやつだろう。後の計画はなにもないようだから)
という会話があった
またその際、麻原から広瀬、横山、W・Kは上九に戻り、豊田と林泰男は都内にとどまるよう指示があった

(略)

自分は林泰男に「被告人に何か出来ることがあるなら、やってもらっていいよ」と言った
あなたが被告人を読んだのではないか?
被告人は仮谷さんの事件のあと悩んでいて、呼ぶことには悩んだ記憶がある
でも、呼ぶことに了解していてもおかしくない(←コメント:中川が高橋克也を読んだ、というのは少し不自然な流れなので、)

青酸ガスの散布場所として、横須賀のディスコも候補にあった
米軍がたくさんいるからという理由だったが、米軍を怒らせるのはマズイということで候補から除外した(←コメント:最初から入れるな、という話である。)

(略)



3/12都庁爆発物事件(証人:井上嘉浩)②
都庁爆発物事件公判
5/8にI・Eを介して2つのメッセージが伝えられた
1、一週間以内に何があっても動揺しないように
2、有能神が怒っている
1は全サマナにあてたもの
2は松本知子と上祐からの伝言だった
これを聞き、一週間以内に麻原が逮捕されるのかもしれないと思った
また、この状況について、麻原が怒っているのだと認識した(←コメント:この時点でこういう表現というのは、もう麻原は明確な指示をしめす必要を感じていなかった、ということでは。それはそれで恐ろしい話だ。方向性を失っているのだから。)

4月下旬、中川の提案で、中川、豊田がRDXを生成
小包爆弾の送り主として、自民党の議員の名前を使うことが提案された
中川が「青島さんには生きていてもらったほうがいい。でも開けた時にバカにされないように作っておく。」と言った(←コメント:中川の発言は本当なのだろうが、支離滅裂と言っていいだろう)
中川が「セミプロ」という言葉を使ったことを覚えている

(略)

その後、中川が「鉄くずを入れようか悩む」と言ってきた
鉄くずと言ったか鉛玉と言ったか、はっきりしない
自分には知識がなかったので、「爆弾の中に鉄くずを入れたらどうなるのか?」と聞いた
中川は「開いた人は悲惨な状況になる」と言いながら、両手の手のひらを体の前に出して、それを体の方に動かす動作をした
飛び散って全体にあびるようなことになるのだと理解した
中川は以前に、実際の写真を見たことがあるようだった
全体が穴だらけになって、見るに堪えないと聞いた
それを聞き、自分は「それはやめにしよう」と言った
「入れたらええんちゃう」とは言っていない
この事件において、カルマになるような結果は背負えないと思った(←コメント:何をいまさら。地下鉄サリン事件は”必死の事件”ではなかった、という可能性がうかんでくる)

(略)

実験したことがないので(←コメント:ここは重要。)、規模はわからない
人が亡くなる可能性があると認識した記憶はない
一方、絶対に人が亡くなることはないと認識した記憶もない

(略)
~~~~~終了~~~~~

弁護側弁論 カテゴリーの記事一覧 - 高橋克也裁判傍聴記録

4/1弁護側弁論①
弁護側弁論
4/1弁護側弁論
担当:高野弁護士

(略)

健康被害の認識ー暴行傷害の故意ー
アタッシュケースもなにも起きない
サリン事件でも認識はなかった<都庁爆発物事件>
①人の死をもたらす現実的危険性があったと言えるか
②被告人は人が死ぬ危険性の高い行為だと認識し、あえて行ったと言えるか

①問題はRDXの量
RDXを入れたケースが5cm×7cm×1.5cmだったという証言は中川のみ
豊田:4×7×1cmくらい
中川:2...あ、1.5cmくらいですね。
中川:ケースの大きさは、事件から一定期間経過後、記憶で答えた。4cmではなく5cmだと明確に言えるわけではない
5cm×7cm×1.5cmの場合、ケースにすりきり一杯で約17.7g
中川:7~8割程度だった→12~14g程度
4×7×1cmの場合、7~8割で7g程度

*製造
生成の際、混合物を0℃に保つことや熱湯処理を行っていない
→不純物が混じっていた
RDXの純量はさらに少ない
*中川RDXと工藤RDXの違い
(工藤さんは都庁爆発物事件で検察側証人として出廷した科捜研の科学者)
中川RDX
・台所で生成
・鍋に氷を張り、ガラス棒で混ぜた
・ウロトロピンの投与に掛かった時間は数十分
工藤RDX
・実験室で生成
・テフロン攪拌?を使用
エチルアルコール洗浄を行う
・専用機械を使用
このような生成の環境の違いにより、科捜研生成のRDXは純度が高い

徳野証人(弁護側証人):RDX10gでは人は死なない
RDX10gを体から10cmの距離で爆発させたら、肋骨が折れる程度
99%死亡のためには340g必要
50%死亡のためには189g必要
この議論の論点は、"爆発衝撃波による人体への危険"
徳野証人…まさにその分野の専門研究をしている医師
工藤証人…科学技官

「反射圧」VS「静圧」
人体への影響は反射圧で考えるのか、静圧で考えるのか
工藤:直接的に作用するのは反射圧
↑徳野:これはよくある誤解。人体へが影響あるのは持続時間のある静圧。反射圧は影響しない
工藤:死亡目安とされる5kg/㎡は反射圧計算
↑徳野:圧による損傷を論じる場合は世界共通で静圧
工藤:近いところで起こる爆発は反射圧で考える
↑徳野:初めて聞きました

距離の三乗根で圧力は減少する
内海さんの肺には全く損傷はなし
中川:直径2mmくらいの鉛玉が100発くらいあった
徳野:鉛玉を入れていればなくなる可能性はあった
工藤:乾電池は高速で飛べば威力がある
↑徳野:電池は重いので、10~20gのRDXでは体を抜けるスピードは出ない
*死の現実的危険について
徳野:戦争のような特別な状況で、治療を受けられなければ命を落とすことはあるが、通常の救急医療の現場では命を落とすことは非常に少ない(←コメント:弁論のこの部分で、「オウム真理教が爆弾の製造と実験の経験がない」ということが確定した。あったら、検察側も弁護側も、わざわざこんな紙の上での計算をする必要はない。)

(略)


 これをみると、オウム事件というのが、組織犯罪についての普通人や専門家の予想を、はるかに”下回る”混乱した実態で行われたことを示している。少なくとも、犯行計画に最低限の慎重さがあったとはいえない、これは言い切れる。
 このことは笑い事ではない。なにかの偶然が重なっていれば、地下鉄サリン事件以上の被害が出た可能性は、十分あったのである。
 これは通説や俗説ではきちんと説明しきれないと私は判断している。
それどころか、犯罪学の一般的な経験則にすら反している。一般的に言えば、犯行を重ねた犯人はバレにくく犯罪をすることができるようになる。しかし、オウム真理教の場合は、資料を素直に読めば、なぜだか理由はわからないけれど、犯行を重ねるごとに、バレやすく犯罪をしているようにすら見えるのである。しかも、宗教的熱狂とかいった理由ではないらしいのである。
 さて、今後は、オウム事件の関連資料、特に裁判の傍聴記録を中心に電子化し、その一部を紹介する予定である。これまでの一連の記事で書いたことは、まだ実証面が不十分なため、徹底的に検証をおこなうためである。