『梶村秀樹著作集』完全復刊をめざす会・第6支部(記事の整理中)

名は体をあらわす。伝説の歴史家・梶村秀樹先生(1935年~1989年)の著作集の完全復刊をめざす会です。

『A3』(森達也)への検証:はじめに

オウム真理教事件を中心に著作を出している、森達也氏の代表作、『A3』(書籍版は2010年出版)が2019年1月23日、無料公開された。

『A3』無料公開にあたって|森達也(映画監督・作家)|note

アマゾンやツイッター上でも、おおかたは高評価されているようだ。

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私は1980年代生まれとして、オウム事件に関心をもち、裁判資料や関係者の回想録を中心に何冊も調べてきた。『A3』も気になっていたので無料公開されたものを一読してみたところ、悪い意味で驚いてしまった。
本作の重要な論点、「麻原彰晃=受容体⇒集団暴走説」と「麻原彰晃松本智津夫水俣病説」の論理構成がきわめて不十分だったからである。私が見たところ、2つの節は(現時点での本作の記述をすべて認めたとしても)有力な根拠はほとんどなく、とても採用できない、と判断せざるをえない。
森氏は、マスコミや「世論」への疑問(麻原の拘禁症状を一貫して主張しているのはその真骨頂)や、関係者へのインタビュアーとしての能力は確かなのに、立証となるとなぜこれほど貧弱な根拠で論をすすめてしまうのか、何かの間違いではないのかと非常に驚いてしまったほどである。また、批判者の滝本太郎氏らが、森氏の説に対する批判が、シロウトの私がみても、スキの多い論理構成であることにも、同じぐらい驚いている。
以下、このブログで上の2説を中心に、検証をすることにする。