『梶村秀樹著作集』完全復刊をめざす会・第6支部[ハンバンパク!!!]

名は体をあらわす。伝説の歴史家・梶村秀樹先生(1935年~1989年)の著作集の完全復刊をめざす会です。ほかにも臨時でいろいろ。

『アンナ・カレーニナ』第六編

「アンナ・カレーニナ」6-26~6-32(『世界文學大系37 トルストイ』1958年、米川正夫による翻訳、筑摩書房)

[#5字下げ]二六[#「二六」は中見出し] 九月に、レーヴィンはキチイのお産のため、モスクワへ移った。彼はもうまる一月、なんにもしないでモスクワに暮した。そのとき、カーシン県に領地をもっていて、近く迫った選挙に非常な関心を有しているコズヌイ…

「アンナ・カレーニナ」6-21~6-25(『世界文學大系37 トルストイ』1958年、米川正夫による翻訳、筑摩書房)

[#5字下げ]二一[#「二一」は中見出し]「いや、公爵夫人はお疲れになったらしいから、馬などには興味がおありになるまいと思うね」スヴィヤージュスキイが新しい牡馬を見たいといいだしたので、養馬場まで行こうと誘ったアンナにむかって、ヴロンスキ…

「アンナ・カレーニナ」6-16~6-20(『世界文學大系37 トルストイ』1958年、米川正夫による翻訳、筑摩書房)

[#5字下げ]一六[#「一六」は中見出し] ドリイは自分の思いつきを実行して、アンナのもとへ出向いた。彼女としては、妹につらい思いをさせ、その良人に不快な感じを与えるのは、はなはだ不本意なことであった。ヴロンスキイといっさい交渉をもちたくな…

「アンナ・カレーニナ」6-11~6-15(『世界文學大系37 トルストイ』1958年、米川正夫による翻訳、筑摩書房)

[#5字下げ]一一[#「一一」は中見出し] レーヴィンとオブロンスキイが、いつもレーヴィンの泊まりつけにしている百姓家へ着いたとき、ヴェスローフスキイはもうちゃんとそこにいた。彼は部屋のまんなかに腰かけて、両手を床几につっぱりながら、主婦《…

「アンナ・カレーニナ」6-06~6-10(『世界文學大系37 トルストイ』1958年、米川正夫による翻訳、筑摩書房)

[#5字下げ]六[#「六」は中見出し] 子供のお茶のあいだ、大人たちはバルコンに腰かけて、何ごともなかったようなふりをして、世間話をしていた。そのくせ一同は、ことにコズヌイシェフとヴァーレンカは、否定的なものではあるけれど、きわめて重大な事…

「アンナ・カレーニナ」6-01~6-05(『世界文學大系37 トルストイ』1958年、米川正夫による翻訳、筑摩書房)

[#2字下げ]第六編[#「第六編」は大見出し] [#5字下げ]一[#「一」は中見出し] ドリイは子供たちをつれて、妹のキチイ・レーヴィナの領地、ポクローフスコエでひと夏をすごすことになった。彼女自身の領地では、邸がすっかり崩れてしまったので…